この記事はこんな人におすすめ
- 卒論の序論って一体なんだ!?いざ書こうと思ったら何から書いていいかわからなくて手が止まった…Twitterやって現実逃避してる
- 「はじめに(序論)」が全然書けない。構成とか内容が全然わかりません。そもそも何文字くらい書けばいいんですか?
- 序論(はじめに)のテンプレや例文をパクって短時間で仕上げたい。どこかに例文落ちてないかな…
今回は、卒論の「序論(はじめに)」の書き方について紹介します。
研究手法や結果などは、やったことをそのまま書けばいいのでわかりやすいのですが、「序論(はじめに)」は一体何を書けばいいのかわからなくて手が止まってしまうのではないでしょうか。
実は、「序論(はじめに)」は卒論の中では、最も論理的思考力と文章力、下調べが要求されます。もしあなたが、「はじめに」の書き方を心得ていなければ。一番苦労するでしょう。
あなたもおそらく、「はじめに」の書き方をちゃんと教わる機会はなかったのではないでしょうか。ですから、途方に暮れてしまうのも仕方ありません。
ですが絶望する必要はありません。
「はじめに」の書き方にはテンプレートがあります。それさえ覚えてしまえば、ぐっと書くのが楽になります。なんであれ実用的な文章には、テンプレートがあるものです。
そこで今回は、「序論(はじめに)」の目的・内容・書き方・テンプレート・例文・文字数等について解説していきます。
「序論(はじめに)」の内容と役割
そこで、「序論(はじめに)」の内容と役割について解説します。この役割や内容は、文系も理系も変わりませんし、根っこの部分はどんな研究テーマでも共通しています。
一言で言えば導入です。英語でもIntroductionって言いますからね。
映画や小説で考えてもらえばわかりやすのですが、ストーリーの背景や登場人物に関しての説明って普通、最初にありますよね。これがないと、ストーリーがわけわからなくなってしまいます。
『ドラえもん』を例に出してみましょう。ドラえもんのストーリーの背景には、「ドラえもんは未来から来たロボットで、ひみつ道具でのび太くんを助けてくれる」という背景がありますね。
だから毎話自然に、「のび太くんがジャイアンにいじめられて、仕返しのためにひみつ道具をドラえもんから借りる」というストーリーが受け入れられます。
これが、「ドラえもんは未来から来たロボットで、ひみつ道具でのび太くんを助けてくれる」という背景がすっぽ抜けていた場合どうなるでしょう。
「この丸いキャラは何?」「なんか腹から出したぞ?」「なんでのび太くんの家にこれいるの?」「コイツなんでこんな不可思議な道具を持ってるの?テロリスト?」と頭の中が混乱してしまいますね。
ストーリーの背景というのは、それを読む人、見る人にとって、その後の話をスムーズに理解するために必要な要素なのです。
卒論でも同様です。
卒論の「序論(はじめに)」は、あなたが卒論で説明したい事柄を、読者に理解してもらいやすくするための土壌作りを行うものなのです。
序論(はじめに)の構成要素とは?
序論(はじめに)はあなたの研究を正しく理解してもらうためのものだということがわかりましたでしょうか?
では、具体的に、何を書けばいいのでしょう?
と、いうことで、序論(はじめに)がどんな要素から成り立っているか見てみましょう。
序論(はじめに)の構成要素
- 背景
- 問題提起
- 目的
- 検討方法
- 予告
分け方の細かさに応じて多少変動しますが、基本的に上のパーツから成り立っています。それぞれ解説すると、以下の役割があります。
- 背景・・・あなたの研究テーマに関する既存の研究や知見を紹介する
- 問題提起・・・あなたの研究テーマに関して、発生している学術的・社会的課題や、明らかにされていない事柄、議論の余地がある事柄を取り上げる
- 目的・・・提起した問題を受けて、あなたの研究で何を分析・調査・考察して、何の役に立つかを書く
- 検討方法・・・あなたの研究手法についての概要を書く。手法の新規性や視点の独自性などについて解説する
- 予告・・・あなたの卒論の各章で、何について書くかを事前に説明する
これだけ紹介してもどう書いたらいいかピンとこないと思いますので、続いて書き方について具体的に解説していきます。
序論(はじめに)の書き方
先ほどの章で「はじめに」の役割や内容(構成)について解説したところで、続いて具体的な書き方について説明していきます。
構成とテンプレート
先ほど、以下の通り「はじめに」の構成について解説しましたね。
はじめにの構成要素
- 背景
- 問題提起
- 目的
- 検討方法
- 予告
これらの流れで「はじめに」を書くには、以下のテンプレートを利用してみてください。これで基本的な流れを抑えやすくなります。それぞれのパートで、2つほどテンプレートの文を紹介するので、自分の研究内容に沿って使い分けてください。
背景
・これまでの研究によれば〜ということが明らかにされている。
・〜では従来より〜とされている。
問題提起
・しかしながら、〜という点については詳しく研究された例はない。
・ただ、〜については十分な検討がなさていない。
目的
・そこで本研究では〜を明らかにすることを試みた。これによって、〜が解決につながる知見が得られる(可能性がある)。
・そこで本研究では、〜について検討した。これによって、〜という新しい知見が得られる。
検討方法
・本研究では、〜という手法により〜を調査(測定・分析)した。
・本研究では、〜という視点から〜を考察する。
予告
・第◯章では研究方法の詳細について説明する。第◯章では、得られた結果について説明する。第◯章では、得られた結果と受けて考察を行うとともに、本研究の結論を述べる。なお、付録として◯を加えた。
もちろん、〜や◯の部分は自分で埋めるしかありませんし、もっと肉付けは必要です。しかし、ここで紹介したのは、「はじめに」の各構成要素中のキーとなる文です。このテンプレート文を抑えておけば、筋の通った「はじめに」が作りやすくなります。
では、このテンプレートを使って、「はじめに」の例文を作ってみましょう。
序論(はじめに)の例文
さて、さっき紹介したテンプレートを使って例文を作ってみましょう。
どんな例にするか迷いましたが、コーヒーの研究にでもしてみましょうか。「コーヒー中の香り成分αの溶出量を最大化する条件についての検討」みたいな嘘研究で例文を作ってみます。
- タイトル
コーヒー中の香り成分αの溶出量を最大化する条件についての検討 - 背景
コーヒーは代表的な嗜好飲料である。日本でも年間に一人当たり340杯のコーヒーが消費される(参考文献A)。コーヒーがこれだけ愛される理由として、コーヒーに含まれる香り成分αがβホルモンの分泌を促し幸福感を与えるからだと言われている(参考文献B)。 - 問題提起
しかしながら、粉砕したコーヒー豆から、コーヒーを抽出した際、香り成分αが溶出する量を最大化する条件について詳しく検討された例はない。 - 目的
そこで、コーヒー香り成分αの溶出が最大となる、コーヒーの抽出条件を明らかにすることを試みた。香り成分αの溶出量を最大化する条件を明らかにすれば、科学的裏付けのある「最も香り高いコーヒーの入れ方」が明らかになる可能性がある。 - 検討方法
本研究では、粉砕したコーヒー豆の粒度と、抽出時の水温を変化させた際の、抽出された液体コーヒー中の香り成分αの含有率を測定した。 - 予告
第2章では、具体的研究手法について解説する。第3章では、研究によって得られた結果について解説する。第4章では、得られた結果をもとに、香り高いコーヒーの入れ方について考察を行う。第5章では、まとめとして本研究の総括を行う。
嘘研究なので、内容の正しさはちょっと置いておいてくださいね。構成に注目してください。
背景〜問題提起で、現状の説明から問題を提起して、それを解決するためとして「研究の目的」につなげていっているのがわかるでしょうか?
その後は、「じゃあ具体的にどうするの?」という説明をして、今後の話の展開を予告して終わりです。
文系・理系を問わず、序論(はじめに)の話の流れはこのようになるはずです。ぜひ、これを参考に(パクって)卒論の序論(はじめに)を無事乗り切ってください。
推奨文字数(文量)について
「いったいどれくらいの長さの文を「はじめに」で書けばいいんだ・・・」と思いませんか?
結論から言えば、決まった文字数はありません。「序論(はじめに)」が先ほど説明した基本構成に沿ってきちんとわかりやすく書かれていれば十分です。
逆に、「わかりにくい」「説明不足」「論理展開が無茶」と感じるようであれば、量・質ともに修正が必要でしょう。
私は確か3,000字くらいは書いたのですが、一応、参考までに一般的な文字数を伝えると、
「だいたい2,000字前後」
※卒論全体の2割前後
くらいでしょう。
文字数よりも、内容の方が重要なので、意識しすぎなくてもいいかと思います。「ちゃんと説明になってる!」と言える内容になっていればそれでOKです。
まとめ|序論(はじめに)にはストーリーの導入部分!テンプレを使ってスマートに書こう
今回は卒論の「はじめに」(=序論)の部分の書き方について解説しました。
- 「はじめに」はストーリーの導入
- 「はじめに」の構成要素は背景・問題提起・目的・検討方法・予告
- 例文はこちら
- 文字数は2,000字前後(卒論の2割)が目安
「はじめに」は基本的な文章力や、研究テーマの理解が必要とされる分、そこそこ手こずるかと思います。今回の記事を参考にして、乗り切りましょう!