テーマ選定

卒論(卒業論文)のテーマの決め方

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この記事はこんな人におすすめ

  • 卒論のテーマを決めなきゃいけないんだけど何から始めれば?
  • 友達のテーマ、あんな感じでもいいのかな?でも真似したらパクリになっちゃうし…
  • 他の人の論文を読んでもなんだかピンと来ないんだよね…

卒論卒業研究)のテーマどうした?俺全然決まらないんだけど。まじヤバイ」なんて会話を友達としていませんか?

やばいですよね、テーマ決まらないと何もできないので。とはいえ、「ヤバイヤバイ」言っていてもテーマは決まらないし、時間は過ぎていきます。

あまりに決まらないと「全然テーマが決まらないんだけど、俺ってセンスないのかな…??」と思ってしまうかもしれませんね。

安心してください。センスの問題ではありません。

正しい手順と方法で取り組めば、必ず自分でも納得のいく卒論のテーマも決まります。他の同級生が「決まらない」「やばい」と焦っている横で、自分の満足行くテーマを設定して、余裕を持って卒論を書くことができます。あなただけ先に卒論を終わらせて、旅行にでも行きましょう。

面白いインパクトのある卒論テーマが決められれば、就活でも印象付けられるので有利ですしね。

ここでは、筑波大学在学中の修士課程で、卒論と修論の他に、学会誌(学術雑誌)に2本の論文を投稿した(修士課程で学会誌投稿は普通、良くて1本)経験を生かして、「効率的な論文(卒論)のテーマの決め方」についてお伝えしていきます。

とりあえず論文の参考例が読みたい方はこちら

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優れた卒業論文を書くために参考例をみたい人はこちら

卒論テーマを決めるステップ

卒論のテーマを考えるには、一定の順序(ステップ)をこの辿ります。卒論に限らず、企画を練ったり、戦略・戦術を練ったりする為にも同じ順序で行います。この順序を覚えておけば、あなたは質の高いアウトプットができるようになり、卒論だけではなくて、社会人になってからもアイデアマンとして活躍できるでしょう。

さて、その順序(ステップ)とは、以下です。

  1. 自己分析
  2. 情報収拾(参考文献探し) ※ここからでもOK
  3. アイデア出し
  4. テーマを選ぶ

この順序でテーマを考えていきます。基本的には1→2→3→4の順序で進んでいきますが、考え直しや追加の情報が必要になった時など、必要に応じて戻ったりもします。

では、具体的に説明していきます。

自己分析

まず、何もテーマについて具体的なことが決まっておらず、全く前に進まない人は「自己分析」をしましょう。

ふわっとでもアイデアがある方は、ここは飛ばして情報収拾から入ってもOKです。

テーマを決めるにも、「分野が広すぎて、なんでもいいけど、何にも決められないぞ」という方もいるでしょう。特に、文系の方なんかは特に。理系であれば、研究室の扱っている分野で研究テーマを探せばいいでしょうが(というか理系は指導教官からテーマを与えられることが多い)、文系だとなかなか絞りにくいと思います。

例えば、なんとか文化学部とかだと、対象範囲が広すぎて絞れないんじゃないでしょうか。

そこで、テーマを決めるために、自己分析をします。一旦、自分が持っているもの(経験)を一旦外に出してみるということです。

自己分析の方法

では、具体的方法のご紹介に移っていきましょう。自己分析は、次のステップで行います。

自分がこれまで何に興味を持って、どんな選択をしてきたのかを一旦洗い出して客観的に見ることで、自分のことを深く理解することができます。具体的には、以下のステップで自己分析を行うことができます。

  1. ポジティブな過去の洗い出し
  2. ネガティブな過去の洗い出し
  3. 理由の深掘り
  4. 意味付け

これによって、自分が意欲を持って取り組みやすい事柄がはっきりするので自ずとテーマも決まりやすくなります。自己分析をすることによって、あなたは「テーマの素(もと)」を手にすることができます。これらの項目を、なるべく1枚の紙やノートに書き出していきます。それでは、各ステップの解説をしていきましょう。

ポジティブな過去の洗い出し

このステップでは、自分が好きだったり、楽しかったり、達成感を感じたり、幸福感ややりがいを感じたりした際の出来事を書き出します。つまりポジティブな感情を感じた出来事を書きます。

例えば、「国語の授業が楽しかった」「仲間と文化祭で出店したのが楽しかった」「シェークスピア全集を読み切った」「祖母と出かけるのが幸せだった」などです。

こんなん卒論のテーマ決めるのに繋がるんかいな」と思うかもしれませんが、それは一旦置いておいて、とにかくポジティブな感情を感じた際の出来事を機械的に書き出します。これによって、自分が「もっと知りたい!」と思って興味を持って取り組める事柄を探し出すことができます

ネガディブな過去の洗い出し

さっきとは、逆です。自分がストレスを感じたり、嫌いだったり、嫌な思いをしたりした際の出来事を書いていきます。つまりネガティブな感情が沸き起こった時の出来事を書きます。

例えば、「地理の授業が嫌いだった」「友人がうつで入院したのが悲しかった」「父親が過労で倒れて家族一同経済的に大変な思いをした」などです。

これによって、「これをなんとかしたい、変えたい」という、問題解決のモチベーションを感じる事柄を探すことができます

理由の深掘り

これまで書き出した過去の事柄について、「なぜポジティブまたはネガティブな感情を持ったか」を深掘りしてみます。各項目について「なぜ?」と問いかけていきます。

例えば、

  • 国語の授業が楽しかった→古典について勉強するのが、昔の文化を垣間見れて興味深かった
  • 友人がうつで入院したのが悲しかった→励ましても効果がなかった、自分にもっと何かできたんじゃないかと後悔がある

などです。

これによって、自分がなぜ、どんな物事に対して興味・関心・喜びを持つか、逆にどんなことを問題に感じストレスを感じるかが浮き彫りになります。

意味付け

ここまで書き出したものをじっくりと眺めてみましょう。何か共通点などが見えてきませんか?

例えば、「自分は中国史について関することに積極的に関わってきたらしい」とか、「自分の希少疾患について社会整備が進んでないことにずっと迷惑したり嫌な思いをしていたりするみたい」など。

そうしてわかったことを、どんどん紙に書き込んでいきましょう。出来事と出来事を線で結びつけたり、丸で囲ったりしてもいいです。

例えば、

  • 歴史の授業が好きだった →人の活躍が時代を変えていくことに興奮を感じる
  • 横山光輝の三国志の漫画が死ぬほど好き →古代中国の文化や時代背景が好き

という項目が上がってきていたら、あなたは三国志関連の研究をテーマとして選べば、モチベーション高く研究が続けられる可能性が高いです。

こうして、これまで書き出したことを、俯瞰的、かつ客観的に眺めることによって、自分の傾向が見えてきます。そうすると、自分が何に対してなら、興味を持って取り組めるか、解決のモチベーションを持って取り組めるかがわかるようになります。

それがあなたのテーマの素(もと)になります。

自己分析以外の方法

自己分析だけでは満足した結果が得られなかった場合は、とりあえず以下の方法をお勧めします。

  • いろんな人と話す
  • 外に出て様々なものを観察する
  • Youtubeかニコニコ動画でゆっくり解説動画を見る

友達や家族でもいいですが、なるべくこれまで話したことがない方と会話をすると、自分の知らなかった面に気づいたり、新しい物の見方ができるようになったりすることができます。

また、外に出て、街中や人々を観察することによって、様々な気づきが得られます。「バリアフリーって以外と進んでないんだなー」「最近タピオカばっかりだなー」とか。それが卒論のテーマに繋がってくるかはわかりませんが、きっかけを得られる可能性はあります。

Youtubeやニコニコ動画でゆっくり解説動画を見るのも参考になります。キャラクターがあるテーマについて解説をするという趣旨の動画です。たくさんの方がこの動画を作っていて、中にはマニアックなテーマについてかなり詳しく解説を行なっているものもあります。あれも一種の研究なので、テーマ決定のための参考になるかもしれません。

自己分析をしたあとはどうする?

自己分析をすることによって、あなたは「テーマの素」を手にすることができます。

しかし、このテーマの素は、たいてい、あまりに対象が広すぎてそのままでは卒論のテーマに適しません。そこで、より具体的に絞り込んでいく必要があります。

では、そのためにはどうすればいいのでしょうか?

そのためには、情報収拾を行う必要があります。自己分析をしてなんとなく漠然としたテーマが決まったら、続いて、そのテーマに関して情報収拾を開始してください。

テーマは閃くものではなく、育てていくものなのです。

卒論における情報収拾(リサーチ)

自己分析である程度テーマが見えてきたら、続いてやるのは「情報収集」(=参考文献探し)です。

情報がないのに、考えてもなかなかいい感じのテーマは決まりません。

恋愛に例えると、接点がほとんどない女の子について、「あの子、俺のことどう思っているのかな?」「俺でも仲良くなれるかな??」と一人で考えているのと一緒です。いくら考えてもわかりませんね。

ですが、その女の子の趣味が映画だという情報があれば、「映画についての話をすれば仲良くなれるかもしれない。じゃあどうやって映画の話を切り出そう」とかアイデアが出てきますよね。

この通り、あなたはちゃんと情報収集すればもっと具体的なアイデアが出てきます。ですから、漠然と「テーマをどうしよう」と思い悩んでいるより、まずは情報収集しましょう。つまり、参考文献を探すことです。

児童心理学についてテーマを考えているなら、児童心理学に関しての書籍やWEBサイト、論文を読んでみる。外国の民族に関してのテーマを考えているなら、それについて同様に調べてみる。

面倒くさいでしょうが、これをするうちに、アイデアが出てくるようになります。そこで出てきたアイデアを、きちんと書き留めておくことです。

逆にこれをやっておかないとどうしてもふわっとしたテーマになりがちです。卒論提出間際になって、指導教官に「内容が薄い」と卒論を突っ返されて苦しむことになります。

卒論テーマを選ぶ

さて、これまで情報収拾とアイデア出しによって、あなたは卒論テーマのアイデアがいくつか出てきたかと思います。

でも、ここで出てくるのが、「このうちからどれを選べばいいんだ??」という疑問です。出てきたアイデアの中で、卒論のテーマとして一番いいものを選べばいいのですが、「卒論のテーマとして一番いい」ってどういうことなんでしょう?

せっかくここまで、考えを練ってきたのに、最後の最後で選び間違えたら「これまでの時間と労力はなんだったのか」ということになりますよね。

後になってからテーマを決め直すのは、多大な労力とストレスがかかります。他の人は、卒論を半分くらい書いているのに、自分はテーマがまだ決まっていない…そんな状態になったら相当焦るに違いありません。担当教科に相談しようにも「いまさら?」と思われかねません。

そうなりたくはないですよね。

テーマを正しく選ぶ為には、テーマを評価するのための物差しを持たないといけません。では、どんな物差しを持てばいいのでしょう?

  • 新規性がある
  • 具体的である
  • 役に立つ
  • 労力や時間を要する
  • データ・先行研究がある
  • 自分の力量に合っている

こうした視点を持つことによって、仮に決めた卒論テーマの良し悪しの評価ができます。それによって、もっとも有望な卒論テーマに絞り込むことができるので、教官から評価を得やすく、自分も卒論を進めやすいテーマが決められるようになるのです。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

まとめ

今回は、人によっては一番難航するであろう、卒論のテーマを決める方法についてまとめました。

テーマを選び間違え得ると、途中でテーマを変更したくなってきます。そうなると大きな時間と労力のロスですから、面倒臭いでしょうがここで紹介した内容を参考にしてあなたにぴったりの卒論テーマを決めていきましょう!


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