この記事はこんな人におすすめ
- 卒論を自分の言葉で書こうと思っても何を書いたらいいかわからない。結果、Wikipediaなどのコピペに走ってしまう。
- やってはいけないと思いつつも、「卒業論文のコピペがバレるとどうなるのか…?退学…?基準は?どこまでやって大丈夫…?」とビビりながらネットで調べている
- 教官の勘やソフト&ツールで、少し変えるとか言い換え程度ではコピペがバレるらしいと知って、コピペしてもばれない方法を探している
コピペは犯罪です。
大事なことなので、最初に言いましたが、コピペは剽窃と言って、立派な著作権の侵害であり犯罪です。コンビニで万引きするのとやっていることは一緒みたいなもんです。
一部分なら大丈夫とか、何割を超えるとだめとか、そういうもんじゃありません。留年とか退学食らっても文句言えません。
とまぁ、一応きついこと言いましたが、あなたも言われるまでもなく、それはわかっていると思います。
問題なのは、「それがわかっていてもコピペしないと卒論が書けない」ということですよね。
コピペなんて、やりたくてやっているわけではないでしょう。
「卒論の書き方がわからないから、コピペになってしまう」という方が多いのではないでしょうか。
もちろん、それを言い訳にしたとしてもコピペは許される行為ではないのですが、「コピペしちゃダメ」「自分の言葉で書いて」と言っても本質的な解決になりません。言われなくてもわかっているからです。
「コピペはダメと言われても、じゃあどう書けばいいかは指導してもらった記憶がないんですけど…」
なんて本音を抱えている人は多いんではないでしょうか。
そこで今回は、「コピペしないと卒論が書けないというレベルの大学生が、どうやってコピペに頼らずに卒論を書くのか」についてお話ししていきます。
理系でも参考になるはずですが、どっちかというと文系寄りで解説していきます。原理原則的な話をするので、どの学部でも参考になるはずです。
ただ、ここまで言ってもあくまで「ばれない方法」を探している人には、お役に立てませんからお帰りください。でも、チェックされたらけっこうばれますし、ばれたら痛い目見ますよ…。
卒論コピペにならないために、あなたがまずやるべきこと
なぜあなたの卒論がコピペになってしまうかというと、考えなしにいきなり卒論を書き始めるからです。
卒論に限らず、文章というものは、構成を練るのが最も大事なポイントです。
構成を練らずに文章を書き始めるのは、コンパスもGPSもなしでジャングルを歩くようなもので、必ず遭難します。
文章を書きなれていないあなたにとってはなおさらです。
あなたがまずやるべきことは、卒論を書き始めることではなく、構成を練ることです。
まず問いと仮説を決める
卒論の構成を練ってから、文章を書き始めるという話をしましたが、具体的にどういうことなのでしょうか。
そのためには、まず、「問い」と「仮説」を決めることです。
問いと仮説にはいくつかのパターンがあります。
原因究明型
- 問い・・・「なぜ〇〇は△△なのか」
例)なぜAKB48は成功したのか? - 仮説・・・「〇〇が△△なのは□□だからだ」
例)AKB48が成功したのは「会いに行けるアイドル」というコンセプト設計のおかげ
問題解決型
- 問い・・・「どうしたら〇〇は△△にになるのか」
例)どうしたらAKB48からK-POPへの人材流出が止められるのか - 仮説・・・「〇〇が△△になるには□□すればいい」
例)AKB48からK-POPへの人材流出を止めるには、音楽制作の品質をグローバル品質に高めればいい
調査型
- 問い・・・「〇〇はどうなっているのだろうか」
例)AKB48が有名になるまでのマーケティング戦略はどのようなものだったのか - 仮説・・・「〇〇は△△だった」
例)AKB48は従来のCDというオリコンという古いメディアを、双方向性の高いメディアと組み合わせて口コミを起こすという戦略をとってきた
比較型
- 問い・・・「〇〇は××と比較するとどうなっているのだろうか」
例)AKB48とK-POPアイドルのファン構造はどのようになっているのだろうか - 仮説・・・「〇〇は××に比べて△△だ」
例)AKB48のファン層は「未完成なアイドルのがんばり」を、K-POPのファン層は「完成された音楽とダンスの質」を求めている
例がAKBばっかりになりましたが、別にアイドルが好きなわけではありません汗
わかりやすいかと思ったんです^^;
と、勝手に命名していくつか、卒論の問いと仮説のパターンを紹介しました。
これができるまでは卒論を書き始まってはいけません。
卒論に限らず論文は、まず、問いと仮説を決めてから、それを検証するために書くものだからです。
書きながら問いと仮説を考えるから、途中で何書いたらいいかわからなくなってパクリとかコピペをすることになるんです。
まずは、問いと仮説を立てましょう。これができさえすれば、背景(序論・緒言・はじめに)も自然と書けます。
問いと仮説が考えられない場合にやるべきこと
問いと仮説が出てこないという場合は、単にリサーチ不足ですね。
あなたのテーマの対象について、とにかく情報収集してください。
先行研究、ネット記事、雑誌、書籍、統計資料、Wikipedia、専門サイト、ブログ、研究室の先輩の学士論文・修士論文、他大学の大学生の学論・修論などなど…
ひたすら参考文献として使えそうなものに目を通していくのです。(Wikipediaなどネット上のサイトや、学士論文や修論は信頼性の点で参考文献として引用には適しませんが、勉強には役立ちます)
そうすると、テーマの対象について詳しくなるので、自然と問いや仮説がひらめきます。知識がつくので序論(緒言)も書けるようになります。
卒論が書けないというのは、頭が悪いとか文章力がないとかではなく、単に情報不足です。
マジです。嘘じゃないです。疑う前にとりあえず始めてください。
「えぇ大変じゃないですか」
そうです、卒論は大変なんです。本来。そこはかんべんしてください。
その分、何かについて情報収集して、そこから問いと仮説を立て、検証するという作業は、あなたが今後仕事をしていく上で必ず役に立ちます。
というか、これができない社会人は出世しません。
大学生の今のうちに一回でも取り組んでおきましょう。いずれ役に立つ時がきます。
卒論をコピペで済ませた人は、高い授業料を払っておきながら、自分の成長の機会を棒に振ったということです。
自分の将来の収入を減らしていると言ってもいいかもしれません。
仮説は変わっていい
情報収集や考察をする中で、仮説が間違っていることに気づいたり、もっと練られた仮説にしたくなったりするかもしれません。
そんな場合は仮説は変更・修正してかまいません。
だって『仮説』ですから。
大事なのはいったん仮説を立てることです。
仮説を立てて始めて、それが正しいかとどうかという視点で情報収集と考察が可能になります。
行動の指針が立つんです。行動の指針を立てると、物事の効率が劇的に向上します。
あとから仮説は変わっていいので、ほぼ直感にすぎなくてもまずは立てることにしましょう。
検証を行う
問いと仮説を立てたら、検証を行いましょう。
「検証なんてどうすればいいかわからない」
ですよね。
検証なんて言葉を使うから難しいのです。検証とは「言い訳」です。
いかにもっともらしい根拠をこじつけて言い訳するか、これが検証です。
この表現に眉をひそめる人もいるかもしれませんが、論文を書きなれていない人にとってはいったんこう考えた方がスムーズに入ってくると思ったのでこう書きました。
で、何をすればいいかというと、まず問いと仮説に対して、もっともらしい根拠を箇条書きでとにかく出してください。
以下の通り、さっきの例で考えてみましょう。
問い・・・なぜAKB48は成功したのか?
仮説・・・AKB48が成功したのは「会いに行けるアイドル」というコンセプト設計のおかげ
根拠
- 「会いに行けるアイドル」は公式な活動方針である
- 「会いに行けるアイドル」は江戸自体にすでに水茶屋の娘たちとして存在していた
- 固定ファンが多いのは、会えば会うほど好きになる単純接触効果のおかげ
- 万人への受けを狙わずに、少数のコアなファンにターゲットを絞ってサービスを提供することで、口コミで人気が広まった
- モー娘。と比較すると振り付けが簡単で、ライブで踊りやすく一体感を感じやすい
- 手が届きそうで届かないという絶妙な距離感が、恋愛感情を発生させる
みたいな感じですね。
これを調査しながら、できる限り書き出していきます。
あとは、「なぜこれが根拠と言えるのか」を説明しながらつなげていくだけで卒論の9割が書けます。マジです。
論文はシンプルに考えると、「問い→仮説→検証」という単純な構造をしているからです。
どうかけばいいかいまいちピンとこない場合は、指導教官に相談してみましょう。
問いと仮説と根拠がある程度出ているなら、教官は具体的なアドバイスがしやすいです。
それすらできていない場合は、「とにかく調べろ」「自分の頭でいったん考えろ」としか言えませんからね。
まずは、仮説を証明してくれそうな根拠をとにかく出してみましょう。それができれば、あとはコピペに頼らずとも自分の言葉で卒論が書けるはずです。
引用とコピペの違い
引用とコピペは何が違うのでしょうか。
簡単です。
引用は、引用した先を明示して「ここからこの部分を引用しましたよ」とはっきり示すことですが、コピペは明示しないということです。
図やグラフにしても一緒です。引用元を明示する必要があります。
逆に、引用のルールさえちゃんと守れば積極的に引用してもOKということです。
むしろ、あなたの卒論の主張が強化されるので引用自体は推奨です。引用だらけなのはダメですが…
引用の正しいやり方はこちらの記事にまとめているので参考にしてください。
なぜコピペがばれるのか
一応、最後になぜコピペがばれるのか解説しておきましょう。
まず、コピペのチェックツール(ソフト)の存在があります。
かなり高い精度でコピペが検出されます。言い換えや少し変えるくらいではチェックに引っかかります。
紙媒体しかない文献(本)からのコピペは検出されにくいという噂もありますが、あくまでも噂です。
また、教官の勘と経験によるチェックもかなりの精度です。
文章は、如実にその人の力量やキャラクターが出ます。
突然、雰囲気が変わったら教官はまず気づきます。
毎年、大量に学生のレポートに目を通しているわけですから、そのチェック力は相当なものです。
しかも、ゼミや授業であなたの力量は把握されていますから、突然文章のレベルが高くなったらまずばれます。
このツールと教官の二重チェックによって、相当な高確率でコピペはばれます。ばれない方法や、コピペしても大丈夫な基準や割合についてググるより、素直に正攻法で卒論を書きましょう。
あなたの卒業後の人生にとっても、その方が有意義です。
まとめ|コピペになってしまうのを防ぐには卒業論文の書き方の理解から
今回は「卒論がコピペになってしまう」という方向けに、卒論の書き方の基礎をお伝えしました。
- コピペは犯罪だが、そもそもなぜそれをやってしまうかというと、卒論の書き方がわかってないから。
- まずは問いと仮説を立てる。問いと仮説は、情報収集すれば勝手に出てくる
- 問いと仮説を立てたら検証を行う。検証は、もっともらしい根拠をとにかく出して、説明しながら繋げること
「コピペになってしまって困る」というくらい、卒論というか論文を書きなれていない方向けに今回の記事は書いたので、けっこう簡略化しています。
より具体的に詳しく卒論の書き方を知りたい方はぜひ他の記事を参考にしてください。