卒論の書き方

卒論の目的(研究目的・意義)の書き方を教えます【例文あり】

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この記事はこんな大学生におすすめ

  • 卒業論文を書いてるけど、目的への文の繋げ方がいまいちわからない
  • 卒論の目的って、何を書けばいいの?例文を見てみたい
  • 目的が決まらないんですが…

卒論を書く上で、研究目的を書かないといけないわけですが、その研究の「目的」の書き方が分からない方もいるかと思います。

この記事では、卒論における研究目的の書き方を解説するとともに、例文をお見せすることで、あなたにも目的をちゃんと書けるようになってもらうことを目指しています。

ちなみに、この記事で解説する内容は、卒業論文のみならず、レポートやあらゆる論文作成においても役に立ちますぜひ、ご参考にしていただければと思います。

▽例文をとにかく早く見たい方は目次をクリック▽

卒論の「目的」とは?

目的を書く箇所は、基本的に序論です。序論の構成は以下の通りです。

序論の構成

  1.  背景
  2. 問題提起
  3. 目的
  4. 検討方法
  5. 予告

「背景」で研究対象についての説明や、先行研究を紹介します。そして、その研究対象について課題となる事柄や不明な事柄を「問題提起」で明示します。

そして、その問題提起で明示した問題を解決するために研究を行う、と宣言するのが「目的」の箇所なのです。

雑な例で申し訳ないですが、、、身近な例えを出してみると以下のような関係になっています。

例①
背景:忙しいので外食が増えた
問題提起:太ってきた
目的:太らない外食を研究する

例②
背景:企業にとって正規雇用社員のコストとは非正規雇用に比べてとても大きい
問題提起:企業がコスト増を懸念して正規雇用を避けるようになり、非正規雇用が増加した
目的:海外の雇用に関する政策を調査して、正規雇用の促進を図る方法を研究する

こういう事実・状況があります(背景)→だからこういう問題があります(問題提起)→そこで研究を行います(目的)

という関係になっているわけです。

※序論の書き方を理解したい方はこちらの記事をご覧ください。

卒論の目的と意義

卒論の目的とは先ほど書いたように「この研究で何を解決したいか」を明示するところです。

これなしに論文は書けません。卒業論文に限らず、論文において目的という要素は、なくてはならない要素です。

なぜでしょうか。

例えば、バイトをするのはお金を得るのが目的ですし、就活をするのは就職するのが目的ですよね。ボーっとゲーセンでゲームするのも、暇つぶしという目的があります。

人が何かをする背景には、必ず何かしらの目的があります。

これと同様に、あなたが研究を行う(卒論を書く)のは、ある目的を達成するためです。

目的がちゃんとしていなければ、どんな方法を用いて、どんな結果が得られればいいのかもはっきりしませんし、考察だってしようがありません。内容がスッカスカになってしまいます。

世の中の研究はほぼ全て、明らかになっていないことを明らかにするために行われます。もうわかっていることを研究しても意味がないですよね。

例えば、ノーベル賞を受賞した青色発光ダイオードの研究は、青色発光ダイオードの作り方が明らかになっていないから行われた実験ですし、同じくノーベル賞を受賞したニュートリノの研究は、ニュートリノの測定方法が明らかになっていなかったから行われた実験です。

このように、研究は「明らかになっていないことを明らかにすること」という視点を持つと、もっと卒論をシンプルに考えることができます。

こんな風に言うと「えぇっ!新発見とかしなきゃいけないの!?そんな大層なことできないよ…」とあなたは思うかもしれませんね。

安心してください。

この世の中には、それこそ無数の「明らかになっていないこと」が山ほど転がっているのです。その見つけ方を続けてお話しします。

目的が決まらない!決められない!という方へ

先ほど、研究は明らかになっていないことを明らかにすること、というお話をしましたね。

ですが、何も科学誌に残るような新発見をしろという意味ではありません。

何事も細かく見れば明らかになっていないことなんてたくさんあるんです。

視点をどんどん細かくしていけばいいのです。

最近、ラグビーが大盛り上がりしましたが、これだって「なぜ今回日本の快進撃が起こったか」という視点で研究できます。
さらに細かく見てマネジメントとか戦略の観点からこれを論じればまた別な研究になるわけです。
また、ラグビーW杯での経済効果を、過去の大会と照らし合わせて調べるのだって研究になりますよね。

消費税10%の影響について調べてもいいでしょう。
おそらくすでにそういう研究はあるでしょうから、もっと視点を細かくしてみるといいのです。
例えば小売業ではどうか、貿易業ではどうか、などです。
海外での消費税増の際の動向を調べて、日本の場合はどうなるかシミュレーションしてみてもいいですよね。

このように、一つの事象とっても、たくさんの研究の切り口があります。同じ題材でも、何を明らかにするか(何を目的にするか)を変えるだけで違う研究が作れます。

自分が興味を持った分野について、様々な角度から、「まだ解決されてない点はないか、明らかになっていない点はないか」という分析をしてみてください。

そのためには、前提として基礎知識が必要ですから、研究テーマや研究目的が決められないという方は、専門書を3冊ほど、先行研究を10本ほど流し読みでもいいので、読んでみるといいでしょう。

知識がついてくると、自分の興味を持った分野に「どんな課題があるか」が見えてくるようになります。テーマが決まらない、目的が明確にできない、という悩みがあるならまずは知識をつけてみることをおすすめします。研究テーマが見つからない、決められないと悩む人の大半は単なる知識不足です。

目的の例文

ここで、卒論の目的についての例文をご紹介します。

序論の記事でも使用した例文ですが、ここでも紹介させていただきます。

序論の例文(「目的」を含む)

タイトル:コーヒー中の香り成分αの溶出量を最大化する条件についての検討

  1. 背景
    
コーヒーは代表的な嗜好飲料である。日本でも年間に一人当たり340杯のコーヒーが消費される(参考文献A)。コーヒーがこれだけ愛される理由として、コーヒーに含まれる香り成分αがβホルモンの分泌を促し幸福感を与えるからだと言われている(参考文献B)。
  2. 問題提起

    しかしながら、粉砕したコーヒー豆から、コーヒーを抽出した際、香り成分αが溶出する量を最大化する条件について詳しく検討された例はない。
  3. 目的
    
そこで、コーヒー香り成分αの溶出が最大となる、コーヒーの抽出条件を明らかにすることを試みた。香り成分αの溶出量を最大化する条件を明らかにすれば、科学的裏付けのある「最も香り高いコーヒーの入れ方」が明らかになる可能性がある。
  4. 検討方法

    本研究では、粉砕したコーヒー豆の粒度と、抽出時の水温を変化させた際の、抽出された液体コーヒー中の香り成分αの含有率を測定した。
  5. 予告

    第2章では、具体的研究手法について解説する。第3章では、研究によって得られた結果について解説する。第4章では、得られた結果をもとに、香り高いコーヒーの入れ方について考察を行う。第5章では、まとめとして本研究の総括を行う。

これまで説明したきた通り、未解決のことに焦点を当てて、それを解決することを目的に据えていますよね。

どんな研究テーマであれ、このような基本構造に沿って書けばいいのです。

まとめ|目的は「自分が何を明らかにしたいのか」を書くところ

この記事では、卒論の「目的」について書き方と例文を紹介しました。

  • 目的は序論に含まれる。序論の構成は背景→問題提起→目的→検討方法→予告の順
  • 目的は、研究対象について「問題になっていること」「明らかになっていないこと」を解決することを宣言する箇所
  • 研究目的が決まらない時は、研究分野について情報収集して、様々な角度から物事を見てみよう

ここで解説した目的の書き方は、卒論に限らず、レポートを書く際にも同様に有効です。

今回解説した基本的な考え方を理解すれば、レポートも卒論も圧倒的に書きやすくなるはずなのでぜひとも理解して使ってみてください。


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