- えっ、私の卒論レベル低すぎ…?
- 指導教員に「卒論のレベルが低くて受け取れない」って言われた!何をどう修正して再提出すればいいの?このままじゃ卒業がヤバイ
- 卒論のレベルが低いって具体的にどういうこと!?
「もしかして私の卒論のレベルって低いんじゃない…?」
と思ったことはないでしょうか。
もし指導教員に、「卒論のレベルが低い」とみなされれば、受理されず再提出をさせられるかもしれません。
とはいえ、論文を書くことに慣れていない大学生のあなたにとっては、どんな論文がレベルが低いかもわかりませんし、レベルの低い論文をなんとかする方法もわからないかと思います。
そこで今回、あなたが論文のレベルが低いという理由で、大学から修正や再提出を迫られないように、論文のレベルを少しでも高める方法をご紹介します。
「私の大学は◯ランだから…」と自虐的になる必要はありません。いくつかのことを抑えれば、論文のクオリティは上がるのです。
では、説明していきましょう。
卒論のレベルが低いとはどういうことか
学校の講義で教わるわけではないのでご存知ではないでしょうが、卒論のレベルが低いと一口に言っても、様々なパターンがあります。
そこで、卒論のレベルが低いと言われてしまう理由をいくつか紹介します。
- 研究の体裁になっていない
- 論文の書式に沿っていない
- テーマがよくない
- 参考文献不足
- データ(調査、実験)不足
- 考察不足
- 文章が稚拙
これは理系でも文系でも変わりません。
それぞれで対策も違いますので、個別に対策を紹介していきます。
レベルの低い卒論1:研究の体裁になっていない
卒業論文は、『卒業研究』です。研究でなければいけません。感想文ではないのです。
そのあたりの違いがよくわかっておらず、感想文みたいな論文を作ってしまう人がいます。当然ながら、その場合評価されません。
研究の基本は、問題提起・仮説・検証(調査・実験)・考察です。
何か問題を見つけ、その原因や解決法について仮説を立て、調査や実験によって検証し、当初の目的が達成されたか、達成されなければそれはなぜか?今後の課題はなにか?ということを探求していくのが、研究の基本姿勢です。
この大前提が理解できていないと、単なる感想文みたいな論文を書いてしまいがちなのですね。
ちゃんと自分の卒論(卒業研究)は『研究』になっているか?ということに注意しましょう。
レベルの低い卒論2:論文の書式に沿っていない
論文には決まった『型』があります。
素直にそれ通りに書くことです。
もしかしたら、「私は自由に書きたい!」と思うかもしれませんが、その部分の独創性は求められていません。というかそれは単純にルール違反です。
ボクシングの試合に出て、「私はキックを使いたい!」とわがまま言っているようなものなのですよね。
卒論に限らず、論文の構成は大きく分けると、序論・本論・結論です。
この基本構造通りに書くことがまず大前提です。
こちらの記事ではより細かく解説していますので参考にしてください。
レベルの低い卒論3:テーマがよくない
レベルが低いとみなされる原因のひとつに、選んだテーマが、卒論のためのテーマとして不適切である可能性があります。
卒論のテーマはなんでもいいわけではありません。例えば、次のようなテーマは適していません。
- 結論がすでに明らかである
他の人がやったことを全く同じくなぞっても意味がありません - 高難易度すぎる
いち学生の手に負えないテーマを取り扱うと研究が全く進みません - 抽象的すぎる
「宇宙とは?」みたいな抽象的なテーマは何を研究すればいいのかわからないので、論文の中身がブレブレになります - 研究するためのデータが手に入らない
分野がマニアックすぎたり最先端すぎるとそもそも研究のしようがありません。 - 社会的意義、学術的意義がない
何か社会のためや学問のために役に立つことをテーマにしましょう。趣味を語っても意味がありません
そもそもテーマがよくないと何をしても無駄なので、テーマ設定には注意深くなる必要があります。
テーマを決める際や、決めた後は必ず指導教員からのアドバイスを受けましょう。
レベルの低い卒論4:参考文献不足
参考文献をちゃんと調べておかないと、序論や考察がスッカスカになります。
自分の頭の中だけでは絶対に卒論は書けません。第三者からの裏付けがあって初めて、あなたの主張が説得力を持つようになります。
ちゃんと参考文献を揃えて、必要な範囲で積極的に引用することをおすすめします。
レベルの低い卒論5:データ(調査・実験)不足
調査・実験によるデータがなければ論文は書きようがありません。
仮説を立ててもそれが正しかったのかどうかもわからないからです。
調査・実験にはとても時間がかかりますから、卒業研究は早めに取り掛かることをおすすめします。
レベルの低い卒論6:考察不足
調査・実験によってちゃんとデータが得られても、それをただ書くだけでは論文として成り立ちません。
調査・実験で得られた結果を見て、「結局、何が言えるのか?」をちゃんと考えて書くことが必要です。つまり考察です。
考察については、他の記事でまとめていますのでそちらを参考にしてください。
レベルの低い卒論7:文章が稚拙
文章が稚拙だと、内容が良くてもそれだけでダメ論文の扱いを受けます。(文章がダメな人は内容もダメなことがほとんどなので、内容が良くて文章が稚拙なケースはほとんどありませんが…)
誤字脱字だらけなのは論外ですし、読んでいて意味がわからない論文であれば評価をしにくいのです。
まずはしっかりとまともな文章が書けるようになりましょう。
これから社会人になるのですから、ここでまともな文章を書けるようになった方がいいです。今がラストチャンスです。支離滅裂な文章を書く人は、やっぱり社会人でも評価されません。
文章の基本ルールを紹介しておくので、これを意識するだけでもちょっとは改善されると思います。
- 一文は極力短くする。無駄に繋げない。
- 不必要に過剰な接続詞は入れない(特に「そして」「なお」「つまり」「また」など)
- 大きな概念(抽象)から小さな概念(具体)へ説明を進めていく(例:乗り物>自動車>フォルクスワーゲン>フォルクスワーゲンの歴史)
- パラグラフライティングを使う(以下参照)
パラグラフライティングは,難解な内容を分かりやすく説明するために必須の記述法であり,読み手だけでなく,書き手にもメリットがあります.ポイントは「各段落の先頭行だけを抜き出せば正しい要約ができあがるようにする」ことです.
出典:パラグラフライティングの作法 -書き手にもメリットのある文配置ルール- | Hisashi Ishihara, Ph.D. Android Robot Researcher
パラグラフライティングは,文章のまとまりを作るルールと,各まとまりの中での文の配置のルールに則って文を書く方法です.そのルールを簡単に言えば,「共通の話題で括れる内容は一つのまとまりとする」というものと,「各まとまりの先頭には最も重要な文を置き,それ以後にはその文の補足説明のための文を置く」というものです.このまとまりのことをパラグラフと呼び,各パラグラフの先頭の文のことをトピックセンテンス(話題文)と呼びます.
出典:パラグラフライティングの作法 -書き手にもメリットのある文配置ルール- | Hisashi Ishihara, Ph.D. Android Robot Researcher
このパラグラフライティングを覚えると、伝わる文章がとても書きやすくなるので是非とも習得していただきたいと思います。
ちなみに、文章力を鍛えるのにおすすめなのがこの『文章力の基本』です。ライターとして活動している私も非常にお世話になった本です。
基礎の基礎を磨くには非常に役にたつので、まともな文章力を身につけたければぜひ購入してみてください。
レベルが低い卒論を書いてしまう原因
レベルが低い卒論を書いてしまう学生には次のような特徴があります。これらに当てはまると、レベルの低い卒論を書いてしまいかねませんので注意です。
- 指導教員とコミュニケーションをとっていない
- 書き始めるのが遅い
- 卒論を書くための必要な行動が把握できていない
指導教員とコミュニケーションをとっていない
あなたは本格的な研究論文を書くのが初めてなのですから、当然ながらひとりで最初からうまくできるわけがありません。指導してもらってはじめて、やっとまともなものが書ける人がほとんどです。
本来は、仕事と一緒で、定期的に指導教員とミーティングを組んで、報連相をしながら進めていくのが正しいやり方です。
しかし、そもそも指導教員とほとんどコミュニケーションをとっていない人も多いです。
そうなると当然未熟な頭だけを使って書いた論文ですから、内容も稚拙になりがちです。
ちゃんと学校に行って、なるべく指導教員とのミーティングの機会を増やしましょう。
書き始めるのが遅い
十分な時間を確保していない場合も内容が稚拙になりがちです。
卒論は意外と時間がかかります。
というのも、参考文献が見つからなかったり、実験や調査がうまくいかなかったり、データを紛失したりするからです。不足の事態が必ずと言っていいほど発生します。
時間の余裕がなければないほど、これらのトラブルは致命的になります。
加えて、内容も文章も練らずに急いで作った論文ですから、当然ながら誤字脱字、間違いだらけになります。
なるべく早くから卒論には取り掛かることをおすすめします。
卒論を書くための必要な行動が把握できていない
「そもそもどうやって卒論を書いたらよいかわからない」という状態を放置する人がいます。
聞くなり調べるなりすればいいのですが、わからないと放置してしまうのですね。
すると、ズルズルと時間がすぎ、気づけば取り返しのつかないことに…という人もいます。
卒論を書くには、参考文献を見つけたり、調査・実験をしたり、考察を練ったりしないといけません。
それら卒論を書くための一連のアクションが把握できていなければ、すぐに人に聞いたり、このサイトなどで調べておくのが良いでしょう。
「わからないことを放置」これは絶対にいけません。
まとめ|どんな卒論が「レベル低い」とみなされるのか把握し、再提出・不可リスクを回避しよう
この記事では、レベルが低いと評価されてしまう卒論のパターンや、その対策についてまとめました。
- 卒論のレベルが低いと言われるのには、原因がちゃんとある。原因を特定して修正することが大切
- 予めどんな卒論が低評価を受けやすいのか把握しておくことが大事
- レベルが低い卒論を書いてしまうようであれば、そのままだと社会人で苦労するので今のうちになんとかしよう
もし、「レベルが低い」と主査・副査の先生に卒論を突っ返されたり、「出来がよくないからこのまま提出するとやばいんじゃない…?」と思っていたりするようであれば、ぜひこの記事を参考になんとかしていただければと思います。
「自分の学校のランクは◯ランだから」「理系(文系)だから」とかは全く関係なく、基本を抑えれば誰でも今からでも論文のクオリティは上げられますからがんばりましょう!