この記事はこんな人におすすめ
- 卒業論文を書いているが、研究方法の書き方がわからん!
- 研究方法の書き方の参考になる論文の例を探している
- 手順とかってどこまで細かく書けば?
基本的には、研究方法とは、やったことを書けばいいんですが、それをどういう風にどこまで細かく書けばいいかいまいちわからないですよね?
ここでは、研究方法の書き方について参考例を交えて解説していきます。レポートの書き方としても参考になると思います。
これであなたも、研究方法の書き方がわかる!はず…
卒論内で研究方法はどこに書く?
卒論において、研究方法を書く箇所はどこでしょう?
はい、本論ですね。序論の次か、準備の次です。
で、
卒論の構成って把握していますか?
卒論は、大きく分けると、序論→本論→結論という構成になっていますね。
さらに、本論を細かく分けてみましょう。
研究の目的→研究方法→結果→考察という構成です。
例えば、ある卒論の目次中では以下の通りですね。
- 第1章 はじめに(序論)
- 第2章 本調査
- 第1節 目的
- 第2節 方法 ←ココ
- 第3節 結果
- 第4節 考察
- 第5節 まとめ
- 第3章 全体的考察
- 第1節 本研究の知見
- 第2節 本研究の問題点と今後の課題
- 第3節 まとめ
- 第4章 終わりに
「卒論全体の構成がそもそもいまいちわかってないんだぜ」という方は以下の記事でいったん確認してみてくださいね。
ただし、この構成通りに書いてない卒論もいっぱいあります。
- 第1章 序論
- 第2章 本論①(小テーマ①)
- 第1節 目的
- 第2節 方法 ←ココ
- 第3節 結果
- 第4節 考察
- 第5節 まとめ
- 第3章 本論②(小テーマ②)
- 第1節 目的
- 第2節 方法 ←ココ
- 第3節 結果
- 第4節 考察
- 第5節 まとめ
- 第4章 本論③(小テーマ③)
- 第1節 目的
- 第2節 方法 ←ココ
- 第3節 結果
- 第4節 考察
- 第5節 まとめ
- 第5章 まとめ
みたいな感じで、各本論ごとに章を分けている場合も多いですね。
異なる資料を使う場合や、異なる調査・研究を行う場合はその都度「研究方法」を書いた方がわかりやすい場合もあります。
研究方法を書く必要性とは
「研究方法なんて誰が読むんじゃい」なんて、研究方法を書くことに必要性に疑問を感じる方もいるかもしれませんが、研究方法は意外と重要です。
なんででしょう?
それは、研究方法は、研究が正しいかどうかを判断する材料だからです。
研究は、「同じやり方・データを使えば他の人がやっても同じ結果が出せる」ということが大事です。
やるたびに結果が変わってしまうのでは、「その研究って正しいの?」という疑問がわきますよね?こういうのを「再現性が低い」研究と言い、信用されません。
で、他の人が、同じ研究を追試するには、そのやり方がわからないといけませんね。
そこで「研究方法」を正確に書く必要が出てくるんです。
研究方法がしっかり書かれていてはじめて、他の人がその研究の正しさを証明することができるんです。
研究方法がテキトーだったら、あなたの研究が正しいかどうかは永遠に闇の中です。
そういった意味で、研究方法は正確に書く必要があります。
研究方法の書き方のポイント
前置きが長くなりましたが、具体的な研究方法の書き方について入っていきましょう。いくつかポイントがあるのでここは押さえておきましょう。
事実と意見を分ける(研究方法はほぼ事実だけ)
研究方法は、端的に事実を書いていきましょう。
事実と意見を混同している文章は、読んでいるうちに混乱します。
会社員でも、報告が下手な人っていうのは事実と意見をごっちゃで喋る人です。聞いている側は、大変です。
事実と意見を分けて考えられないと、社会人になってから「仕事できないやつ」と思われるので注意しましょう。
と、話が逸れましたが、研究方法は、ほぼ事実しか書きません。何をどう研究したか、ということを書くので主観の入りようがないからです。
ですから、あなたの考察などはのちの章・節にゆずって、研究方法の箇所ではやったこと(事実)を淡々と書いていきましょう。
情報を過不足なく具体的に書く
先ほど説明した通り、他の人があなたの研究方法の箇所を読んで、同じ研究ができなければいけません。
「他の人が読んで同じことができるように、過不足なく情報を書くこと」
これがポイントです。
逆に言えば、わかりやすく正確に伝わりゃそれでいいんです。
おおむね研究方法に書かなきゃいけないことは次の通りです。
- いつ
- どこで
- どれくらいの期間
- 何(試料、調査対象、資料)または誰(被験者、被調査者)に対して
- 何(装置、器具)を使って
- どんな調査手法で
- どんな順序で調査、実験したか
- 得られたデータをどんな方法で分析したか
これらを押さえて過不足なく書いておけばほとんどの場合問題ありません。
テーマによってどれが重要になるかは変わってきますし、書くことも違います。理系と文系では大きく変わってくるでしょう。
例えば、マーケティングや心理学などのインタビュー調査であれば、「どんな人たちにどんな質問票を使って何人くらいに調査を行ったか」ということを書くことになりますよね。
歴史に関する研究とかは先行研究や史料の文献調査になるので、大抵の場合「こんな文献をこんな観点から検討をしました」と書くことになります。
一方で、化学系の研究であれば、「どんな試料をどんな手順で用意して、どんな機器を使って分析したか」ということを書くでしょう。
書くことが千差万別になり、どう書けばいいかテンプレ化しにくいからこそ、「他の人が読んで同じことができるように」という原則を念頭において書くことが大事なんです。
研究方法の書き方の参考例
さて、ここまでいいですか?
では、参考例を文系と理系の場合に分けて紹介していきましょう。
あなたの研究と同じテーマではまずないでしょうが、書き方を参考にしてくださいね。
東京大学の参考例ばかりで「難しそう!」と思うかもしれません。すいません、クオリティ的に間違いないと思ったんです^^;
内容は理解できなくていいですから、書き方だけ参考にすればOKです。
文系の場合
文系の場合は、卒論の中身のほとんどが考察に偏ることが多く、研究方法はちょっとしか書かれていない場合が多いです。
研究方法って言っても文献を収集して考察するのがほとんどですからね。インタビューなどの調査を行えばまた別ですが…
「どんな資料をどういう視点で考察しました」というのが書ければ、文献調査の研究の場合は十分であるケースが多いのではないかと思います。無理に一節作らなくてもいい場合が多いです。
という事情で、「研究方法」の書き方については少し参考にしにくいかもしれませんが、参考例をご紹介します。自分の場合に当てはめながら読んでみてください。
研究方法として一節設けてあるので、参考にしやすいと思います。17ページから研究方法の節が書いてあるので参考にしてみてください。
どういう目的で、どういう資料を使って研究したのか、というのが書かれています。
経営分野の研究ですね。「分析の進め方」という形で一章設けてあるので、このあたりが参考にしやすいと思います。
教育システムと職業システムとの関係における日本的特徴に関する研究 : トランジションとレリバンスの比較歴史社会学【1】【2】【3】
教育機関と就職に関する研究ですね。長いので3つに別れていますが、2つ目の68ページあたりが研究方法の書き方としては参考になるのではなでしょうか。
理系の場合
理系の場合の研究方法の書き方は、試料の準備の仕方や分析方法がキモになりますね。早速、参考になりそうな論文を探してきたので紹介します。
この論文では、材料の調達方法と、その分析方法が具体的に書いてあり、とても参考になります。
この論文は、解析手法がキモなので、そのあたりの書き方が厚いですね。機器を使った解析をする人には参考になると思います。
情報系の論文ですね。どんなアプリを利用してどうデータ収集して解析したか、ということがちゃんと書いてあるので、情報系の方にはとても参考になるはずです。
まとめ|研究方法は、他の人が読んで同じことができるように書く
この記事では、研究方法についての書き方を解説するとともに、参考例をご紹介しました。
- 基本的に研究方法は事実を端的に書く
- 他の人が読んでも同じことができるように過不足なく書くのがポイント
- 参考例を見て書き方をパクりましょう
研究方法の書き方についてはこの記事を参考にしてみてください。