この記事はこんな人におすすめ
- 卒論を書いても書いてもなんか進まない。書いては消しての繰り返しで全然ダメ。このまま終わらないんじゃないか…と不安
- 卒業論文を書いていたはずがいつのまにかツイッターをしていた。気が散ってばかりで全然進まない
- 論文提出まであと1週間しかないけど2chで名無しさんとして「論文終わらない」と言っている他の名無しさんの投稿見て現実逃避している
卒論の締め切り間際には、理系・文系ともに卒論に追い込まれている学生が大学内にたくさん出現しますね。
「卒論終わった?全然進んでなくてやべーんだけど」と友人同士での腹の探り合いがあちこちで観察できます。
真面目に卒論を書こうと思っても、頭の中がごちゃごちゃになってしまい、筆が進まないから嫌になって他のことをしてしまう…そんなことの繰り返しではないでしょうか?
そして、終わらない卒論のことがだんだんストレスになってきて、「やらなきゃ…」と思いつつも、それから避けるような不安な毎日を送っていませんか?
慣れないことをするのは、脳に負荷がかかりますから、それを避けようとするのは人間の性質上仕方ありません。
ですが、それを言い訳にしてても、卒論の提出日は一刻一刻と近づいてきます。
今回は、普段ライターとして活動している筆者が、「文章を早く書き上げるコツ」を、卒論を書く場合向けにカスタマイズしてお伝えします。
中には、「えーそんなこと遠回りだよー」と感じるものもあるかもしれません。でも、急がば回れです。騙されたと思ってやってみてください。
仕事スピードは能力よりやり方によって決まる
まず、はじめに理解して欲しいのが、仕事スピードは、「能力よりもやり方」に大きく左右されるということです。
極端な例ですが、いくら集中力がある人でも、5mの近さで道路工事やってたらまず集中できません。逆に、集中力がいまいちでも、友達もテレビもスマホもない状態で、卒論を書くことしかできなかったらそれなりにはかどります。
あなたが卒論を早く仕上げるためにやることは、訓練して能力を底上げしたり、気合いを入れたり、覚悟したりすることではなく、やり方を整えることです。
やり方を変えるだけで、大きく作業効率がアップします。
書くスピードを3倍にする9つの仕事術
では、さっそく、卒論に限らず、文章作成のスピードがアップする方法について話しましょう。
私がライターとして実際に使用している仕事術を7つあなたに紹介します。
基本パクる
基本、他人の論文を参考にしてください。徹底してパクってください。
ただし、パクるといっても、内容や文章を丸コピするということではありません。それは剽窃という犯罪です笑
構成や、論理展開、文章表現など、抽象的な部分をパクるんです。
- どういう風に問題提起して、どんな理屈で結論を導いているか
- どんな文章表現をしているか
- どんな章立てにしているか
などを観察して、それを素直に自分にも取り入れましょう。
あなたは残念ながら、論文執筆のプロではないのですから、自分の頭だけで考えることがそもそも間違っているのです。
私だって、ライターとしてのお金をもらって仕事をしていますが、執筆作業をする際は、いくつか参考例を見つけてから構成を練り始めます。
まずは、参考例を入手することです。これをする前には絶対に書き始まらないでください。
守破離という言葉があります。
これはまず型を守ることが大事だと表しているわけですが、逆に言えば「型を守らなければロクなもんにならんよ」という意味でもあるのです。
変にオリジナリティを発揮しようとせず、他の人の論文を素直に参考にしましょう。論文はオリジナリティを発揮するのではなく、筋が通っていて一定以上の品質であることが大事です。
8割完成を目指す
完璧主義をやめましょう。
序論だけにめちゃめちゃ凝ったり、研究方法をめちゃ細かく書くような進め方は非効率的です。
枝葉末節にこだわっているといつまでも終わりません。
「あーなんか論理展開が微妙だな〜」「このあたりの表現がうまく書けない」とモヤモヤを感じても、見切りをつけてどんどん進めてほしいのです。
0から8割作る作業と、8割を10割(100%)のクオリティに上げる作業は、同じ時間がかかります。一定以上からクオリティを上げる作業は、けっこう大変なのです。
まずはとにかく形にすることです。
いったん形にすれば、最悪修正する時間がなくてもそのまま提出できます。部分的に完成度が高くても、未完成だったら提出できません。
「いざとなったらこのまま提出すればいい」
という状態を作るのは、精神的に大きな安心感が得られます。
部分部分にこだわるような完璧主義にならず、とにかく前に進めることを優先しましょう。修正はあとからできます。
やることを紙に書いてから作業する
作業に取り掛かる前に、やることを紙に書き出しましょう。
頭の中にToDoリストがあると、それが考え事になって作業スピードが落ちます。
さらに、頭の中のToDoリストは、勝手にだんだんと変化してしまいます。
「あれもやらなきゃこれもやらなきゃ」と、あなたの脳はお節介なのでいろいろ考えてくれるんです。
そうなると、いつの間にか卒論とは関係ないことや、あまり重要でないことに時間を使い始めます。
卒論のことを考えていたはずが、いつの間にか「今晩どこのラーメン屋に行こうかな」と考えているのはそのせいです。
こんな状況にならないように、いったんこれからやることを箇条書きで紙に書き出して、いちいちToDoを思い出さなくてもすむようにしてください。
時間制限をする
人間の脳は不思議なことに、締め切りがあると生産性がアップします。
ただし、その締め切りは、近くにないといけません。数日後や数週間後という締め切りは、脳では認識できません。
「じゃあギリギリになるまで放置した方がいいってことですね!」
ということではなく、「細かい締め切りを設定するのがおすすめ」ということです。
そこでおすすめなのが、1日の目標を箇条書きすることと、25分間区切りで執筆作業をすることです。
1日の目標を箇条書きにして、「〇〇時までにここまで終わらせよう!」と紙に書くか独り言で宣言します。すると、やること・やらなければいけないことが可視化されるので、それを達成するように集中力が高まります。
さらに、執筆作業を25分間区切りにすることで、脳の「飽き」からくる集中力の低下を防ぐことができます。
25分間作業→5分休憩→25分作業・・・
というサイクルで執筆作業をしましょう。休憩中は、極力何もせずボーッとするか、卒論の執筆とはまったく関係ないことをする(特に手や体を動かす作業。ゲームは禁止)のがおすすめです。
これはポモドーロテクニックと呼ばれています。
このポモドーロテクニックを使えば、「飽きる」ことを最小限にできます。集中力を維持しながらも長時間執筆作業ができます。
1日の作業目標と、25分区切りの作業。これはどんな仕事でも使えるので、習慣づけておくと、のちのち役に立つはずです。
全体像を考えてから書き出す
いきなり闇雲に書き出していませんか?考えなしに文章を書き出すのは非常に危険です。
文章を書く際は、まずは構成を考えてから書くことです。
構成とは、「何をどんな順序で書くか」ということです。
まず、「書かないといけないこと」「書きたいこと」を箇条書き、もしくはポストイットに書いて洗い出します。
それができたら、それらをどんな順序で書くか並び替えます。
並び替えるときには以下を意識してください。
- 結論→本論→結論の構成にする
- その章・節でいいたいことをひとつはっきりさせる
- 大きな概念(抽象的)から小さな概念(具体的)の話に移る(例:日本は少子化が進んでいる→特に地方では顕著)
- 時系列に沿う
こうして、何をどんな順序で説明するかがいったんわかるので、非常に文章が書きやすくなります。
まずはこれをはっきりさせてから書き始まるようにしましょう。
卒論は、各章によって書く内容が異なります。各章で何をどんな風に書けばいいかわかっていない場合は以下の記事を参考にしてください。
余計な物を排除する
視界にものが入るほど、集中力が落ち、作業の効率が下がります。
机の上には、必要なもの以外は極力置かないようにしましょう。
研究室だと、知人がいてついつい雑談してしまいますし、机の上も散らかっていることが多いと思うので、食堂やカフェに行くのがおすすめです。
また、スマホは気が散る大きな原因です。
どうしても触ってしまう場合は、とりあえず、今スマホに入っているゲームアプリとSNSアプリを全部消してください。
ゲームのセーブデータは復旧できないかもしれませんが、SNSはアカウントがあれば復旧できるはずです。
ついつい時間を使ってしまうものを、そもそも存在自体抹消することで、集中を邪魔する要因を排除することができます。
そもそも自分の作業を邪魔しているものはなんなのか?と問いかけ、それを排除することで作業効率が劇的に改善します。
認知的不協和を使う
人間は、「自分が言ったこと」と「やったこと」に不一致があると、非常に心地悪さを感じます。
これを心理学では認知的不協和と言います。
人間は自分の行動に矛盾があると不快感を感じるんです。
NHKの集金が来た時に、「テレビあります」と言ってしまったあと、「やっぱりテレビなんてありません」となかなか言えないのはこのせいです。
ダメ男に尽くしている女性が周りになんと言われようがなかなか別れないのもこれが原因です。「尽くしているんだから好き」という心理状態なのです。
これをうまく使いましょう。
ツイッターや友達に、「いつまでに卒論を何ページ書く」と宣言してください。宣言した以上、やらないと気持ち悪くなります。結果、嫌でも行動するようになります。
ただ、「宣言したけどやらない」という状態が続くと、慣れてしまって効果なくなるので、注意してください。
書けるところから書く
仕事は勢いです。
勢いがつけば、自分でもびっくりぐらい仕事が進みます。
逆に勢いがないとぬるぬるした感じで仕事が進みません。
では、勢いをつけるにはどうしたらいいのでしょう?
それは、簡単なことからやることです。自分が書けそうなところからとにかく書いていきましょう。
卒論に限らず、文章は最初から書き始める必要はないんです。手書きで小論文のテストをする際はそういうわけにはいきませんが…
例えば、研究方法だけ先に書いてみるとか、逆に謝辞だけ書いてみるとか。
少しでも進んだ感があると、「手応え」が手に入ります。すると不思議なことに、だんだん気分が乗ってくるんです。
書き始めることすらできない、という場合はとにかく手を動かしましょう。
紙やノートに、思いついたことをとにかくそのまま書いてください。するとだんだんいろいろ思いつきます。
「最初の書き始めるまでがなぁ」という方は、とにかく「なにか書く」ということを意識してください。
人に助けを求める
どんどん人を頼りましょう。自分で考えるより、詳しい人に聞いた方がはるかに早いです。
特に、担当教官にはガンガン質問や相談をしましょう。そのために彼らはいるのですから。
あなたは年間なん十万円、場合によっては100万円を超える金額を学校に払っているわけですから、学校から提供される教育というサービスを使わないのは損です。
とはいえ、教官も人間ですから、質問にはマナーが必要です。
そのマナーとは、自分の努力の形跡を伝えることです。
「ちょっと考えてみたけどぜんぜん卒論書けないっすわー」というノリで来られたら、真面目にアドバイスなんてする気になりません。「もっとがんばれ」としかアドバイスできません。
ですから、自分が考えた構成なり、考察なりを携えて、その具体的成果物に対してアドバイスをもらうようにしましょう。
なるべくこまめに相談してアドバイスをもらうとどんどん卒論が進むはずです。
これから書く人は、書きながら研究を進めよう
まだまだ卒論の提出まで余裕がある場合でも、卒論は書ける部分は書きはじまった方がいいです。特に、研究方法の部分は。
なぜなら、「何をどうやったか」をどんどん忘れていくからです。
いくらメモをしていても、メモの抜けもありますから、あとから思い出しながら書いても苦労します。
考察や背景で使えるネタが何か思い浮かんでも、すぐに忘れてしまいますから、メモっておいて、部分的にでもいいので文章として残しておきましょう。
まとめ|卒論を書くスピードはやり方次第
今回は、卒論が全然終わらないと不安で嘆いている大学生向けに、文章を書くスピードをアップさせる仕事のコツを9つ、紹介させていただきました。
理系でも文系でも、同様に仕事を効率化させる仕事術として今後も役に立ちます。ライターとして活動する筆者が実際に活用している方法なので、ぜひ利用してください。
私は根性論は嫌いです。
根性よりも、まずはスマートにやり方を整えて、そこそこのがんばりで早めに卒論が終えられるようにしましょう。