研究活動

卒論に対して不安を感じる原因と対処法を認知行動療法の観点から解説

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この記事はこんな大学生におすすめ

  • 卒論がちゃんと通るのか、不可にならないかと不安です。卒業研究に対してときも漠然とした不安があります
  • 卒業論文が自分にもかけるのか自信がありません。不安で眠れません。
  • 卒論を提出しましたが、見返してみるといろいろと納得いかないところがあり、提出後に不可を出されるのではととても不安です

卒論執筆中や提出後に不安を感じる方も多いと思います。

これまで卒業論文のような、長期にわたるプロジェクト的な課題に挑戦するのは初めてという方が多いでしょうから、不安に感じるのも仕方がありません。

とはいえ、不安に思うだけ、ストレスが溜まりますし、なにより不毛です
不安は単なる脳のエラーです。

そんなものに悩まされて毎日をイキイキと過ごせないのは非常にもったいないので、きちんと対処して、不安を払拭しましょう。

この記事では卒論についてなぜ不安を感じるのか、その不安にどう対処すればいいのかを、『認知行動療法』の観点からご紹介していきます。

卒論に漠然とした不安を感じている方は必ず読んで実行してください。

卒論に不安を感じるのはなぜか

卒論がちゃんと終わるのだろうか、卒論がちゃんと提出できなかったらどうしよう、就活と両立できるのだろうか…

そんなことばかりを考えて、メンタルが落ちている方も多いのではないでしょうか。

さて、その不安ですが、なぜそもそも卒論を不安に感じてしまうのでしょうか。

その原因として、主に2つのものがあります。

その2つとは、

卒論に対する2つの不安

  1. 得体の知れないものに対する不安
  2. 過去の失敗から来る不安

この2つの不安は、対処が可能です。

なぜなら、どちらもただの妄想であり、脳のエラーにすぎないからです。

それぞれ対策を解説していきます。

得体の知れないものに対する不安の対処法

人は、よく理解できないもの、よく見えないものについては、不安を感じます。
それが安全か、危険かどうか判断できないからです。

大昔、人間が野生生活をしていたころは、あたりは危険だらけでした。

よく知らないものや動物に出会った際、それが危険であれば即、死に直結する事態でした。
死んでしまえばもうお終いですから、死は最大のリスクです。

そのため、進化の過程で人間はメリットを追い求めるより、リスクを回避する傾向が強くなりました。

ですから、よくわからないものは、リスクであり、「基本的に避ける=不安に感じる」という行動がとるよう脳にプログラムされています。

何が言いたいかというと、卒論というものがあなたの中で「得体の知れないもの」と認識されているので、「卒論=リスク=不安」という図式になってしまっているのです。

では、こんなときはどうすればいいのでしょうか?

卒論がなんであるかを理解すればいいのです。

有効な方法が2つあります。

得体の知れない不安の対処法

  1. 完成形をイメージする
  2. プロセスを分解する

それぞれ解説します。

不安の対処法:完成形をイメージする

「完成形をイメージする」ためには、他人の卒論を読むのが一番有効です。

なるべく同じ研究室・ゼミの先輩(卒業生含む)を、まず10本ほど読んでみましょう。
同じ研究室・ゼミの先輩の卒論がそんなに見つからなければ、似た分野の研究室・ゼミの卒論を読みましょう。

もし、大学に保管されていなければ、他大学のレポジトリから似た分野の論文を探しましょう。

こうして他人の卒論を読むことで、「自分が何を作ればいいのか」というイメージがおぼろげながら作られていきます。

自分が何を目指しているのか、多少でもイメージできると不安が和らぎます。

不安の対処法:プロセスを分解する

もう一つの方法、「プロセスを分解する」についても解説します。

「自分が何をやればいいのかイメージできていない」というのは、不安の原因となります。

あなたが初めてアルバイトをしたときのことを思い出して欲しいのですが…何をどうしたらいいかわからないのでとても不安を感じましたよね?

それと同じで、ある問題に対して、どのように対処していけばいいかがイメージできていないとき、人は不安を感じます。

「卒論を書く」という行為には、たくさんのプロセスが含まれます。
テーマを決めて、文献を集めて、調査実験をして、データをまとめて…などなど。

あなたの頭の中で、これらのプロセスが分解されておらず、「卒論を書く」というデカい塊のまま存在しているので、「卒論=よくわからないもの=不安」という状況になっているのです。

これを解消するためには、卒論を書くというプロセスを分解すればいいのです。

このブログで卒論を書くプロセスを分解してそれぞれ解説しているので、それを参考にしてに、「自分が何をすればいいのか」というのを実行レベルまで落とし込んでください。

コツは「テーマを決める」という抽象的なレベルで分解するのではなく、もっと具体的に分解することです。

テーマを決める、という言葉は抽象度が高すぎます。

テーマを決める、という行為を分解すると、「書籍を読む」「指導教官に相談する」「先行研究を探す」といった行為に分解できます。
このくらいまで分解して初めて、「何をしたらいいか」がはっきりとイメージできます。

このくらいのレベルにまで、やることのブロックを細かくしてください。

そうすれば、何をすればいいのかがはっきりするので、不安が軽減されます。

以上が、

  1. 完成形をイメージする
  2. プロセスを分解する

という方法により、「得体の知れないものに対する不安」を軽減する方法です。

過去の失敗から来る不安

あなたが卒論を書くことに対して強い不安を感じている場合、あなたの過去の失敗経験が影響していることがあります。


人には『古典的条件付け(オペラント条件付け)』という性質があり、過去の経験から、ある刺激に対して感情や行動が誘発されるようになっています。

『パブロフの犬』の話はあなたもご存知でしょう。
ベルが鳴ったら餌がもらえる、というパターンを学習した犬は、餌がなくてもベルが鳴ったら唾液が出るという話です。

人間の場合、この学習されたパターンがより一般化されて、他のものにも適用されるようになります。

ある書籍では以下の通り説明されています。

①不安は、人が無条件的な恐怖刺激や葛藤を起こす刺激に曝されるか。古典的条件付けによって学習される。
②学習された不安は、それが学習された刺激状況に似た状況に汎化(generalization)されたり、さらに高次の条件付けの学習が起こったりすることで複雑になる。
③学習された不安が動因となって様々な行動の障害を起こすようになる。

出典:中島美鈴(2016)『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン 「認知行動療法」入門』株式会社光文社.

つまり、あなたが卒論に対して不安や恐怖を抱くのは、「卒論を書く」という行為が、過去に何か失敗して傷ついた経験と結びついている可能性があるということです。

例えば、「計画を立ててすすめるプロジェクトで失敗した」「文章を書いたらできが悪いと叱られた」「夏休みの自由研究の出来が悪いと友達に笑われた」という経験です。

そして、その経験があるがために、不安を感じた時にそれを回避する行動を繰り返してきた可能性があります。

これを『回避行動』と言い、不安から一時的に回避できますが、再度その機会にさらされた時、さらに不安が強くなってしまいます。

例えば、「人前でしゃべることに失敗した」という人が、人前でしゃべる経験を避ければ避けるほど、人前でしゃべることに強い拒否感を感じるようになるということです。
あなたも似たような経験ありませんか?

これが、卒論を書くことに対して、「自分にできるのか」「失敗するのではないか」「人から笑われるのではないか」と思ってしまう原因です。

そして、あなたが卒論を書くことに不安を感じるのであれば、その方法として一番有効なのが、「逃げずに卒論を書くこと」です。

矛盾するようですが、これは『暴露法』と呼ばれ、少しずつ不安を感じる機会に自分を曝すことで不安を解消するというものです。

不安は単なる勘違いにすぎません。
勘違いですが、不安を感じるからと「やらなきゃいけない」と思いつつもそれを避け続けるほど、どんどん卒論が書けなくなります。

そうならないためには、とにかく、卒論を書くという行為に少しずつでもいいので取り組んでください。

「得体の知れないものに対する不安の対処法」の章でも解説しましたが、卒論を書くというプロセスを分解して、着手できるものから着手してください

「文献を見つけるために図書館に行く」というレベルで構いません。

とにかく「卒論を書く」というプロジェクトについて、少しずつでも実際に立ち向かうことであなたの不安を小さくするのが目的です。

すると「別にたいしたことじゃなかったな」と気づき、だんだんと卒論を書くということについて不安を感じなくなります。

「卒論を書く時間はいくらでもあったのに、一切卒論が進んでいない」という人にならないよう、なるべく早くから行動を始めてみましょう。

100進まないと行けないとき、1しか進まなくても0よりはマシです。
とにかく、小さな行動から始めてください。

そもそも卒論に求められるレベルはさほど高くない

それでも「私に卒論なんて書けっこない」と不安になる人はいるかもしれません。

でも安心してください。

修士や博士なら話は別ですが、学部生レベルの卒論には、そもそも高いレベルなんか求められていません
未熟な学生が1年程度研究したくらいでは、なかなか学術的にインパクトのある研究を発表することは難しいです。

卒論は、ほぼプロセスが重視されています。

いい卒論を出してもらうことが目的というより、卒論を書くという行為に取り組んでもらい学生に成長してもらうというのが目的です(いい加減にやれという意味ではありません)。

ですから、あなたが「卒論を書く」というプロジェクトに向かい合って、指導を受けながら調査・実験をして、四苦八苦しながらなんとか卒論という提出物を提出しただけで、学校としての目的はある程度達成されているのです。

「自分に書けるのかどうか」というのは考えるだけ無駄です。

とにかく、向き合って行動して仕上げることです。

あなたは一人ではありません。

指導教官も先輩もいますし、卒論を書くためのサイトもこうしてあることですし、書籍もあります。

とにかく、他人の力を借りて、迷惑をかけまくってください。

そうして四苦八苦して卒論を仕上げた経験は、あなたの人生において必ずプラスとなる経験になります

これは「三日で卒論を書いた」と豪語している人間や、卒論代行や剽窃をして卒論をごまかした人間には決して得られない、あなたの人生の収穫です。

正しいやり方で卒論を進めれば能力に関係なく、絶対に卒論は終わります。
不安は単なる脳のエラーだと思って、とにかく行動しましょう。

卒論提出後の漠然とした不安の対処法

卒論を出した後に「あれ、俺の卒論大丈夫だったかな…不可にならないかな」と不安を感じる人もいるかもしれません。

そんな時には、漠然と不安に思っていても意味がなく、ストレスが溜まるだけです。

まず、不可になるかどうかという件について答えると、ほぼ100%不可になりません。

学部生の卒論については、高いクオリティなんて期待されていません。
きちんと卒論を書くための努力が見える形になっていれば、そうそう落とされるものではありません。

きちんと参考文献をまとめて、指導教官と相談しながら書式通りに書き上げたものであれば大丈夫です。

ただし、パクリだらけなら不可になっても文句言えません。見逃してくれることを祈りましょう

卒論の不備があったことにあとから気づいて不安を感じるのであれば、それについての修正や説明を自分なりに整理しておきましょう。
もし、その不備が誤字脱字程度なら、それが原因で不可になることは100%ありませんから、心配の必要はありません。

内容の誤りがあり、これから卒論発表会や口頭試問があるなら、そのときに修正を反映させましょう。

それくらいしかやることはありません。
出してしまったものについては心配しても仕方ありませんので、不安になるだけ無駄です。

ヒマだとあれこれ考えて不安になるので、バイトとか資格勉強でもして意図的に忙しくしましょう。

就活との両立についての不安

中には、就活が思うようにうまくいっておらず、「このまま卒論も就活もダメになってしまうのでは…」と思っている方もいるかもしれません。

そんな方に一番お勧めしたいのは、とにかく周囲の人の力を借りることです。

自分一人ではなかなか卒論も就活もすすみません。

こちらに卒論と就活の両立についてまとめていますので参考にしてください。

まとめ|卒論の不安は正しく対処すれば軽くなる

今回は卒論に関しての不安の対処法についてまとめました。

  • 卒論執筆前、執筆中に感じる不安は、「得体の知れないものに対する不安」「過去の失敗から来る不安」のふたつで、それぞれ対策可
  • 学部生の卒論のクオリティはあまり期待されていない。見られているのは、真面目に取り組んだかどうかというプロセス部分
  • 提出後に不安を感じても特に意味がないので、修正を自分なりにまとめておいたら、あとは別なことをして気を紛らわしましょう

これまで卒論のような、長期にわたる論文の作成をするのは初めてだという人が多いと思います。

そのため、不安に感じる人も多いでしょう。

しかし、不安には対処法がきちんと確立されています。

不安はあなたのパフォーマンスや気分を低下させるだけのなんの生産性もないシロモノです。
今回紹介した方法で、不安に対処する方法を学んで実践してみてください


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