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卒論でのアンケート調査まとめ|調査方法・作り方・依頼方法・集計方法等

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この記事はこんな人におすすめ

  • 卒論でアンケート調査をしたいんだけど、初めてやるから調査方法が全然わからない…。そもそも何でアンケートやるの?
  • アンケート用紙ってどうやって作ればいいんですか?TwitterとかFacebookとかmixiとかのSNSでアンケートを取ってもいいんですか?お願い文とかどう作ればいいですか?
  • ExcelとかWordを使ってアンケートを作ったり、集計したりするんだろうけどイマイチわかんない

教育学とか社会学、心理学なんかでは、卒論を書くためにアンケート調査を行う人も多いですね。

しかし、卒業研究のためにアンケートを企画しても肝心のアンケートの取り方がわからず途方にくれる人が多いのも事実。

誰かに依頼しようにも、誰にどうお願いしたらわからないでしょうし、お願い文の作り方も許可の取り方もわからないでしょうし、いざ実施しても回答が集まらず困ってしまう人もいるでしょう。

今回は、卒論で行うアンケート調査について、徹底的にまとめました。

アンケートのwordテンプレート

とりあえず例としてテンプレート(フォーマット)が欲しいんだ!」という方向けに、テンプレート(フォーマット)をダウンロードできるようにしておきました。

欲しい人はご自由にダウンロードしてご利用ください。

クリックでダウンロードされます(Word)

※もちろんウィルスやマルウェアは入っていません。

アンケート調査の利点

なぜ卒論でアンケートをわりとよく見かけるのかというと、それ自体がひとつの研究業績として見なされるからです。

卒論に限らず、論文は世界にひとつのものでないといけません。新規性(オリジナリティ)が必要です。

まぁ学士の卒業論文にそこまでシビアに新規性を期待されているわけではないのですが、「私のここが他の研究と違って新しいんです!」と言える部分をつくらなきゃいけないんですね。

そこで、アンケートを取ると、独自の新しい研究データが手に入るので、それ自体が新規性の言い訳になります。研究方法の部分で独自性が付与されるわけです。

ですから、身も蓋もない言い方をすると、とりあえずアンケートをとってそこそこに考察すればとりあえず卒論が完成するということです。

理系の大学生は卒業研究として実験や調査をするので、それを軸に卒論が書けますが、文系の方は専攻によってはそれがしにくい場合があります。

そこで文系学生の救世主となるのがアンケートというわけです。これがアンケートのいいところです。

アンケート調査のデメリット

アンケートにはデメリットももちろんあります。

一番大きいのが、時間とお金がかかるということです。(基本的にどの研究でもそうですけど)

街頭アンケートをすれば時間かかるし、紙の印刷代はバカにならないし、場合によってはアンケート協力の謝礼も払わなきゃいけないし、Webアンケートを代行で頼めばこれまたお金がかかります。

また、人にアンケートを取ること自体に「なんか嫌だなぁ…」と心理的抵抗を抱く人もそれなりにいるでしょう。(のちほど依頼方法を紹介します)

それ自体で研究業績が作れるというメリットはあるものの、このデメリットについては我慢して乗り越えないといけません。

アンケートを取らないでも研究ができるテーマはありますし、アンケートなしでも文献調査やフィールド調査なども研究方法としてありますから、必ずアンケート調査を行わないといけないわけではありません。

目的と目標の明確化

続いて、アンケートの集め方に話題を移していきましょう。

アンケートをやる際に、もっとも大事なのは、「なんのためにアンケートを集めるのか(目的)」「どんなデータが取れればOKか(目標)」ということです。

これがしっかりしていないと、意味のないアンケートをしてしまいます。

もしくは、アンケートを取った後、「あぁ肝心なこと聞いてなかった…」なんて目にあいます。やり直しです。

「何を明らかにするためにアンケートを取るのか」という目的と、「そのためにはどんなデータが必要なのか」という目標をしっかり練っておきましょう。

それがはっきりするまでは絶対にアンケートをやってはいけません。

アンケートを企画するなら、企画段階から指導教官にアドバイスをもらっておくと抜け漏れの防止ができますし、見当違いなアンケートの実施しなくてすみます。

対象者を誰にするか

続いて重要なのが、「誰にアンケートを取るのか」ということです。

調査対象になるひとたちのことを『母集団』と言います。人間は母集団ごとにまったく性質が違います。

女性にアンケートを取るのと、男性にアンケートを取るのではまったく結果が変わってしまいますし、社会人か大学生かでも異なります。

逆に言えば、違う母集団でアンケートを取ればそれ自体がひとつの新規の業績になるのですが…

この母集団をはっきりさせておかないと、まったく意味のないアンケートになってしまうのです。

「どんな母集団に対してアンケートを取っているのか」ということが卒論で確実に言えないと、メタメタにつっこまれて撃沈します。

例えば、晒す意図はないのですが、この『教えて!goo』の投稿を見てください。

私は、「スポーツ観光と地域活性化」について研究しています。

そこで4つの質問に「はい」か「いいえ」だけで回答してもらいたいのでご協力お願いしたいです。

1、スポーツツーリズムという用語を知っているか?
2、スポーツ(マリン、スポーツ観戦、スポーツ大会参加、ゴルフ、スポーツ合宿など)を旅行に盛り込んだことはあるか?
3、旅行先の現地の人々と交流したいか?
4、スポーツ選手と交流、ふれあってみたいか?

以上です。1人でも多くの人に回答してもらいたいので、ほんとうにご協力お願いします。

出典:教えて!goo

この質問のダメなところは、誰に対してアンケートをとっているのかがまったく不明になってしまうところです。

『教えて!gooのユーザ層』という点で偏っていることは間違い無いのですが、性別も年齢も社会的身分も一切不明です。同じ人が重複して回答している可能性すらあります。アンケートが取れても意味のないデータです。

教えて!gooのユーザに関する研究なら、ギリ許される可能性はありますが、そういうわけでもないでしょう。

案の定、コメントでめっちゃ叩かれています。中間発表や卒論発表でも間違いなくこうなります。

Twitter、フェイスブックやmixiなどのSNSで卒論のアンケートを取る人が一定数いるみたいなのですが、同様の理由でネットから適当に集めたデータは、信頼に足るデータとは言えません。

母集団によって結果が変わるので、しっかりと「どんな母集団(誰に)対してアンケートを取ったのか」がはっきり裏付けできるアンケートを行いましょう。

アンケート調査方法の種類

アンケートの目的と対象の母集団が決定したら、調査方法を決めます。

アンケートと一言でいっても、それなりに方法がありますし、調査方法によっても結果が変わるので調査方法にも理解を深めておきましょう。

定量調査と定性調査

アンケートの設問で分けると、定量調査と定性調査という区分があります。

定量調査とは、結果が数値化できる大人数向けのアンケート調査です。

例えば、「はい/いいえ」「あてはまる/あてはまらない」「週に1〜2回/週に3〜4回/ほぼ毎日」という風に選択式の回答をさせるものです。

認知度・人気・評価・行動傾向などを知りたい場合に向いています。

集計や分析が可能ですが、聞かれたこと以外回答しようがないので、詳細な意見や、隠れた意見を聞くことは難しいです。

一方、定性調査は、数値ではなく文章としての結果を得るための、小人数向けアンケート(インタビュー)です。

例えば、「どんなところが気に入っていますか?」「どんなイメージがありますか?」「どんなところに不満に感じますか?」という設問になります。

イメージ・意識・家計状況・性向などを知りたい場合に向いています。

集計や分析は大変なのですが貴重で具体的な結果を得ることができます。

実際は、この定量調査と定性調査を合わせてアンケートを取る場合もあります。

定量調査の種類

定量調査もいくつか調査の種類が分けられます。

定量調査の種類

  • 訪問面接調査
    対象者の元を訪れて一件ずつアンケートを取る方法です。学内で学生に声をかけてアンケートを取ったり、団体に協力してもらったりする場合や、自宅へ訪問したりする場合です。卒論の場合は、この手法がよく用いられるのではないでしょうか。
  • 訪問留置調査
    自宅などへアンケートを預け回答を依頼し、一定期間経過後に回収する手法です。面識のある人ならともかく、見返りがないと行動しないので、500円〜1,000円くらいのQUOカードなどの謝礼を渡すと回答が集まりやすいです。
  • 郵送調査
    アンケートを郵送して、回答後返送してもらう方法です。これも謝礼があった方が回答してくれやすいでしょう。切手を貼った返送用封筒の同封を忘れずに。
  • インターネット調査
    インターネットを用いてアンケートを収集する手法です。楽ではありますが、まともな母集団からアンケートを取るには、業者の協力が必要になりお金がかかるので、あまり卒論では現実的ではありません。もし予算が5〜20万円程度使えるなら視野に入れてもいいでしょう。ツイッターをはじめとするSNSは、先ほど説明した通り論外です。
    業者の例:クロス・マーケティングQiQUMO
  • 電話調査
    電話でアンケートを取る方法です。電話が得意な方にはおすすめですが、大抵の方にはハードル高めかとは思います。知り合いでない限り間違いなく警戒されるので、しっかりと説明できるよう、トークスクリプト(原稿)を作るといいでしょう。

定性調査の種類

定性調査の種類もいくつかに分けられます。

定性調査の種類

  • パーソナルインタビュー(インデプスインタビュー)
    あなたと対象者の1対1でインタビューを行うアンケート調査がパーソナルインタビューです。生の声を聞ける上深い質問ができるので質の高いアンケートが取れますが、大人数を対象としては向いていません。特定の業界の方の意見や意識調査を行う場合や、地域の方の体験談を聞く場合に適しています。
  • グループインタビュー(座談会)
    特定の話題について、複数人(3〜6人)でディスカッションしながらインタビューを行う方法です。場が温まっていると意見が積極的に出てくることがあります。複数人を同じ時間同じ場所に集めることが大変ですし、進行にノウハウが必要なので卒論で実施するのはやや難しいかもしれません。

他にも、行動観察調査(オブザベーション調査)、訪問観察調査(家庭訪問)やワークショップがありますが、アンケートとはちょっと違ってくるので詳しくはここで解説しません。

調査人数(サンプル数)の目安について

卒論として信憑性が担保できるデータを集めるためには、何人くらいにアンケートを取ればいいのでしょうか。

アンケートの内容にもよりますので、あくまで目安となりますが、以下の通りです。学士の卒業論文であれば、数百人や数千人規模の大規模な調査は難しいでしょう。

サンプル数の目安

  • 事前調査(本格的な調査の設問を作るため)の場合・・・定性的な調査を数名もすれば十分
  • 本調査・・・設問の10倍の人数。10問なら100人程度。

調査対象や調査項目によってまったく必要なサンプル数は変わってくるので、あくまで参考としてください。

基本的に指導教官に指導を仰ぎ、詳しく知りたい方は統計学の入門書などを読むといいでしょう。

言うまでもありませんが、自作自演やデータの捏造、かさ増し、改ざんはやってはいけません。

リスト(母集団)の種類とアプローチ方法

調査方法を決めたら、対象となる母集団にどうやって調査を行うかを考えなければいけません。

ここでは、そもそもどんな母集団にどうやってアンケートに協力してもらうかについて説明します。

アンケートが集まらないと困っている人も参考にしてください。

友達に頼む

対象が大学生なのであれば、友達を対象として調査を行うのがいいでしょう。(調査対象として適当であれば)

直接の友達だけでなく、友達に友達をさらに紹介してもらうなどすれば、そこそこの人数が集められるはずです。

サークルや部活、バイト内で人を集めるという手もあります。

ただし、大学生であっても、「自分の大学の在学生」という特殊性がどうしても出ますから、それが結果にどんな影響を与えるか仮説を立てておきましょう。

学内の学生を捕まえる

休み時間に学食や喫煙所などで暇そうにしている学生を捕まえてインタビューをするという手があります。

ちょっと勇気がいりますが、はっきりと自分の身分を伝えて、卒論のためのアンケートであることを説明すればけっこうな高確率で協力してくれます。

コツは2〜3人でたむろしている気の優しそうな集団にアタックすることです

授業に便乗する

授業は、学生が同じ場所に集まる絶好の機会です。

学生を対象とした調査を行うなら、この機会を利用しない手はありません。

具体的には、調査対象がいるであろう授業に狙いを定め、その講師に直接依頼をします。礼儀正しく頼めば、高確率でOKしてくれるでしょう。指導教官を通して相談する手段もあります。

街頭アンケートを行う

道端で通行人にアンケートをお願いするという方法もあります。

無視されたり邪魔がられたりする可能性もあるので、それなりにハートが強くないといけませんが、やってるうちに慣れます。

設問は簡単なものにしてください。「じっくり話が聞きたいのでカフェへ」みたいな流れになると「壺売られちゃう!」みたいな勧誘な感じが満載なので道端でササっと回答してもらいましょう。

あざとい手法ですが、男性が対象なら可愛い女性大生の友達に協力してもらい、女性が対象ならイケメンの友達に協力してもらえば回答してもらいやすくなります。

他にも、身分がぱっと見でわかると回答してくれやすいので、部活で使った「〇〇大学」みたいなロゴが入った服をきていくと有効です。

団体へ協力を依頼する

自分とは接点がない特定の母集団に対してアンケートを取りたい場合は、それを取りまとめている団体にアプローチをするという方法があります。

例えば、以下のようなところへお願いをします。

ターゲットへのアプローチ場所

  • リタイア後の高齢者・・・地域の老人会や福祉施設の主催者
  • 特定業界の会社員・・・その業界の企業の総合窓口か広報
  • 特定の年代の児童・・・小学校、中学校、高校、保育園、幼稚園などの問い合わせ窓口(母校だとやりやすいかも)
  • 外国人・・・外国人支援の団体の主催者や、領事館の問い合わせ窓口

断られることもあるでしょうが、メールか電話で礼儀正しくアプローチすれば案外許可を出してくれます。

一旦アポを取ってみて、訪問して相談、打ち合わせを行いましょう。

協力してもらったら必ず後日メールか電話でお礼を言うか、手紙(お礼状)で感謝の気持ちを伝えましょう。

また、指導教官のつてで協力してもらうという方法もあるので、指導教官に相談してみるのも有効です。

マーケティングリサーチ会社に依頼する

それなりのお金がかかりますが、マーケティングリサーチ会社に調査を依頼するという方法があります。

マーケティングリサーチ会社とは、自前の会員を保有していて、その会員に対してアンケート聴取を代行してくれる会社です。

ある程度属性を絞った母集団に対していっぺんにアンケートをとってくれるので、手間が少ないアンケート調査手法です。

基本的にWebアンケートになります。一人当たり5,000〜10,000円くらいはかかるのを覚悟した方がいいでしょう。

紙のアンケートも可能でしょうが、さらに価格は上がります。

予算がなければ母数が取れませんから、その場合は素直に自分でやった方がいいです。

SNSや質問相談サイト

Twitter、FacebookやmixiなどのSNSや、教えてgoo、ヤフー知恵袋や発言小町などの質問相談サイトでは、信頼性のある研究データを得ることができません。

どんな人が回答したかもわからないし、同じ人が複数回回答している可能性もあるからです。

ただし、本調査のための質問項目を考えたり、仮説を立てるために参考程度の意見を収集することは可能です。無料なのでコストもかかりませんし手軽です。

Twitterはツイートでアンケートが取れますし(無料)、Facebookにはアンケートの広告サービス(有料)があります。

卒論の研究方法や結果に書くことはできません(叩かれるので書かない方がいい)ですが、場合によっては利用してみるといいでしょう。あくまで参考として。

依頼メールと依頼電話のテンプレート

社会人経験のない大学生にとって、団体や企業へのアンケート協力の依頼はけっこうプレッシャーかと思います。

そこで、依頼メールの文例と、電話のトークスクリプトを掲載しておくので、参考にしてください。

依頼メールの例

〇〇会 〇〇様(株式会社〇〇 広報部 〇〇様)

お世話になっております。
〇〇大学〇〇部〇年の〇〇と申します。

突然のご連絡恐れ入ります。

実は、この度、卒業研究として〜に関する調査を行なっております。〜を調査することにより、〜を明らかにすることを目的とした研究です。

調査データを得るために、特に〜という方へのアンケートをお願いしております。

つきましては、貴会(貴社)の会員(社員)様へアンケート調査を実施したいと考えているのですが、ご協力いただくことは可能でしょうか?

ささやかではございますが、アンケート回答にご協力いただいた方には、謝礼としてQUOカード500円分をお渡ししております。

無理なお願いとは存じますが、何卒ご協力いただけますと幸いでございます。

どうぞご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

===========
メール署名(あなたの身分と連絡先)

依頼電話のトークスクリプト例

お世話になっております。
〇〇大学の〇〇と申します。

突然のご連絡恐れ入ります。

実は卒業研究で〜というテーマについて研究しておりまして、アンケート調査にご協力いただける方を探しております。

無理なお願いとは存じますが、御社の社員様にご協力頂きたくお電話しました。

差し支えなければ、ご担当の方にご相談させて頂きたいのですがおつなぎ頂くことは可能でしょうか?

あくまで例ですが、依頼メールと依頼電話はこんな感じです。

予算がなくてあなたから募集活動費用が出せないでしょうから、向こうからしたら無償ボランティア活動みたいなものです。断られても仕方ないところではあります。

断られてもめげないでくださいね…。

アンケート調査票の作成方法

さて、アンケートの目的と目標が決まり、調査方法と調査手法も決まったら調査票(質問紙)を用意しましょう。

調査票の作り方について解説していきます。

紙かWebアンケートか

紙によるアンケートなのか、Webによるアンケートなのかをまず決めましょう。

高齢の方や、逆に若すぎる方については、Webアンケートだと操作に不安があるので、紙の方がいい可能性が高いです。

内容はWordかExcelで作成するのが一般的です。

紙のアンケートは、面識のない人にその場で書いてもらうことができますし、ちょうどPCやスマホを持っていない人にも回答してもらうことができます。

ただし、印刷費用がかかりますし、重いし、集計が大変です。

Webによるアンケートの場合は、回答者からすると回答が手軽であり、調査員側からすると作成と集計が楽で費用がかからないというメリットがあります。

ただし、対象が不特定多数になってしまうとアンケートの信憑性がありませんから、ちゃんと母集団の属性がわかるようにしましょう。

事前に了解をとって、回答だけWebアンケートを利用してもらうか、どんな母集団かがはっきりしている人たちに依頼するという方法が望ましいです。

Webでアンケートを作るには、以下のサービスがおすすめです。ビジネスでもよく用いられます。

WEBアンケート作成サービス(無料)

どれも無料でアンケートを作成できますし、集計も自動です。

アンケートを作成するとURLが発行されるので、それをメールやline、QRコードなどで対象者に渡して回答してもらうといいでしょう。

特にGoogle formはGoogle spread sheetと連携できますから非常に便利です。一度使ったらExcelには戻れません…。

研究の説明文(文例あり)

調査票の書き出しには、挨拶文を含め、しっかりと研究の目的と、データの利用方法、あなたの身分を書きましょう。

でないと、何に使われるのかわからず怖いです。「以下のアンケートにご協力ください。完。」だったらなんか怖いですよね。

本研究以外には使用しない、大切に管理するという倫理的配慮も書いておくといいでしょう。注意書きとして分けて書いても構いません。

例えば、説明の文例としては以下です。

「本調査は、大学生の就職への意識の年次変化を調べることを目的としています。得られたデータは、統計的に処理し、個人が特定されないよう利用いたします。また、研究以外の目的には利用しません。本調査の回答結果や、回答を拒否することによって不利益を被ることもありません。調査へのご協力を心からお願い申し上げます。○年○月○日 〇〇学部〇〇学科〇〇 問い合わせ先〜」

「面倒なことにはならないですよ」と安心してもらえる説明になっていればかまいません。もちろん、嘘を書いてはいけません。

アンケート用紙テンプレート:クリックでダウンロードされます(Word)

質問項目は一旦出してから吟味する

調査票に書く質問は、最初からドンピシャなものはよっぽど経験がなければ作れないと思った方がいいです。まずは次のようにいったんアイデアを出してから絞っていく方が有効です。

また、あらかじめどんな結果が得られそうか仮説を立てておきましょう。そうすれば何を聞くべきかわかりやすいです。

質問項目の作り方例)大学生の就職についての意識調査の場合

  1. 調べたい対象の構成要素を多面的に分解する
    例)就職についての意識・・・将来への希望、就職への困難さ、意欲、知人の影響など
  2. 仮の質問項目を作る
    例)・社会人になってからの将来は明るいと思いますか?
    ・就活は困難だと思いますか?
    などなど…
  3. 質問項目を吟味する
    質問は的確か/わかりやすいか/似た質問はないか/1回の質問で複数のことを聞いていないか/二重否定はしていないか/具体的か/逆転項目を入れているか(※)
    という基準で質問を吟味して、必要なものだけに絞る
    ※逆転項目・・・「〇〇は好きですか?」に対して「〇〇は嫌いですか?」というような逆のことを聞く質問のこと。前者で「はい」と回答した人は、後者が「いいえ」と回答しないと筋が通らない。この逆転項目を入れることで、機会的に回答してる信頼性の低い回答を排除できる。
  4. チェックする
    自分で実際にアンケートを受けたり、友達に受けてもらったりして修正すべき点がないか点検する。質問が多すぎないか、質問がわかりにくくないか、という点に留意する。

こうした手順を踏むことで、信頼性が高く有効なデータが得られやすいアンケートを作ることができるようになります。

アンケートを取ったあと失敗に気づいたら目も当てられませんので、調査票は指導教官の添削を受けながら完成させましょう。

アンケートのコツ「回答しやすくする」

アンケートの回収率は、調査票の作り方によっても変わりますから、わかりすい調査票を作るというのも意外と大事なポイントです。

やたら文字が小さかったり、日本語が不自然だったり、回答がしにくいレイアウトだったりすれば回収率は落ちます。また、質問数が多すぎても回収率は低下します。

回答途中や、見た瞬間に「メンドくせっ」と思われるからです。

また、コツとして、最初に簡単な質問をして、最後の方に答えるのに労力がいる質問を持ってきます。回答に勢いがつきますし、途中までやってしまうと、やめにくい気持ちになるからです。

自由記述欄が多すぎて負担が大きく感じてしまうのは好ましくありませんから、不必要になんでもかんでも質問を入れないようにしましょう。

スムーズに回答ができるか、一読してわかりやすいかを、実際に自分でアンケートに回答してチェックするようにしましょう。

個人情報の取り扱いについて

アンケートで得たデータは、個人情報として見なされます。

一時的であれ、あなたは人の個人情報を預かることになりますから、回答者には個人情報の取り扱いについてきちんとした説明をすることが必要です。

名前や電話番号など重要な個人情報を聞く際には『プライバシーポリシー』と『同意書』を用意しておく(別紙でもOK)といいでしょう。

参考として、こんな風にプライバシーポリシーは書きます。

名前を聞くべきか

名前を聞くかどうかについては、「できれば名前を聞いた方がいい」という感じです。

名前を書いてもらった方が、ちゃんと真面目にアンケートに回答してもらえるからです。ベライバシーを収集することになるので、回収率は下がりますが回答の質は上がります。

ただし、名前はモロに個人情報なので、さきほどのプライバシーポリシーと同意書は必ず用意した方がいいでしょう。

既存の研究を参考にする

既存の研究のアンケートは利用して構いません。

アンケートに関しては剽窃に問われることはありません。ただし結果をパクれば剽窃です。

既存の研究で参考になりそうなアンケートがないか一度確認してみるのがいいでしょう。

ただし、参考文献としてちゃんと卒論には論文名を記載しましょう。

調査票の印刷

紙の質問票による調査の場合は、印刷をしないといけません。

大学のコピー機を借りるという手もありますが、個人でも利用できる印刷業者に代行を依頼する方法もあります。こっちの方がたぶん早くて安いです。

おすすめ印刷サービス

  • kinko’s・・・店舗型の印刷業者。1枚から印刷可能。1枚9円から。
  • ラクスル・・・通販型の印刷業者。100部から発注可能。1枚5.9円から。

大学のコピー機は混み合いますし、価格が高いのでこのような業者を利用した方がおすすめです。

アンケートの集計方法と分析

無事アンケートが実施できたら、続いてその結果を集計・分析します。

単純集計

全体像の把握のためには、『単純集計』を行います。

それぞれの選択肢の回答数を数えるだけです。例えば、「〇〇を知っていますか」という質問に対して、「はい」「いいえ」がそれぞれ何個回答されているかをカウントします。

一番簡単ですが、詳しさには欠けます。

クロス集計

クロス集計は、要素を掛け合わせて分析することで、単純集計より詳細な分析ができます。

先ほどの「〇〇を知っているか」という質問に対して、「年齢」「性別」ごとに分けて「はい」「いいえ」の数を集計します。

例えば、「20代で漫画が好きな人」「20代で漫画が嫌いな人」「30代で漫画が好きな人」「30代で漫画が嫌いな人」という風に属性ごとに回答数の集計ができます。

各集団ごとの比較ができるようになり、より詳しい考察ができるようになります。

アフターコーディング

アフターコーディングとは自由記述式の分析の手法です。

自由記述式の回答結果を分類して、分類ごとの回答数を集計します。訂正情報が定量化されるので、集計や分析がしやすくなります。

例えば、「就職活動についてどう思いますか?」という質問をすれば、回答は十人十色でしょうが、「ポジティブ」「中立」「ネガティブ」かに分けることができます。

「楽しみ」「自身がある」ならポジティブにまとめてしまい、「いやだ」「やりたくない」なら「ネガティブ」に、「何も考えていない」「興味がない」なら中立に分けるという感じです。

このように回答を抽象化してまとめることで、自由記述式の回答からも傾向を推し量ることが可能です。

テキストマイニング

テキストマイニングも自由記述式の分析の手法です。特に文字列の分析を目的としています。

単語や特定の文章の出現数や、一緒に出現する単語、出現傾向などを調べます。テキストマイニングツールと言われるソフトウェアを用いて分析を行うことが一般的です。

以下のような感じです。

出典:Markeziine|ホットペッパーグルメ、ユーザーローカルのテキストマイニングツールを導入

対象へのイメージや、事象に対する原因を探る場合などに有効です。

統計処理

得られたデータの統計処理を行うには、統計学で用いる用語や手法への理解が必要です。

統計学でよく使う用語

  • データの代表値・・・平均値、中央値、最頻値
  • 分布の推定・・・分散、標準偏差、標準誤差
  • 検定・・・確率、p値、帰無仮説、有意差

このあたりの言葉については調べて意味を把握しておきましょう。

アンケートに関する本について

しっかりとアンケートに関して勉強したいと言う場合は、専門の本を参考にするといいでしょう。

本格的に勉強しようとすると、多変量解析など統計学に関する知識が絡んでくるので、ウェブサイトの無料情報を利用するよりは、こうした書籍で勉強した方がかえって効率的です。

以下の本がおすすめです。Amazonで買えますので、よかったらどうぞ。

 

まとめ|アンケート調査を実施する前にアンケート調査への理解を深めておこう

今回は、卒論(卒業研究)でのアンケートについて解説を行いました。

まとめているうちにあれよあれよとボシューミーになってしまいました汗

本記事で、卒論のアンケートに関しての知識は、かなりカバーできるかと思います。

  • アンケートはとりあえず独自の研究業績が作れる、文系の強い味方
  • 目的目標、手法、対象者、分析方法が明確でないと意味のあるアンケート調査にならない
  • 質問票の作り方にもコツがいるので、作り方について理解を深めておこう

アンケート調査は、これまでやったことがない方が多いでしょうし、やったことがあってもなんとなくの人がほとんどと思います。

今回の記事を参考にして、有益なアンケート調査を実施してください。


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