卒論の書き方

卒論の要約の書き方を参考例&テンプレありで解説

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この記事はこんな人におすすめ

  • 卒業論文や学術論文の要旨と要約の書き方の違いがわからない。同じじゃないの?
  • 要約ってただ短くすればいいんじゃないの?えっ、違う…?
  • 文章をまとめるのが苦手で、概要とか要約とかどう書いたらいいかわからないんです〜><

なんか、卒業論文の要約ってわかるようでわからなくないですか?

卒論を単に短くすればいいような気もするけど、短くするにもどこを残したら?

という状態になりがちですよね。

「自分の研究の概要を書けばいいんだよ」と言われても、それをどうすればいいんだ、って話ですよね。

そこで、すっきりわかりやすい卒論の要約の書き方を解説していきますね。

要旨と要約の違いは「主張と内容のどっちを重視するか」

似たような言葉に、要旨という言葉があります。

要旨と要約の違い、あなたはわかりますか?

一旦、このふたつの違いを整理しましょう。まず、一言でいいます。

  • 要旨・・・主張を簡潔に説明もの
  • 要約・・・内容をまんべんなく簡潔に説明したもの

これで「なるほど!」という人は少ないと思います。もうちょっと詳しく解説しましょう。

このふたつは、重要視するポイントが違うんですよね。

要旨は、「この論文で何を主張しているか」ということを伝えることに重きを置いています。要旨にとっては、結論や考察が特に重要な要素なんです

ですから、背景や研究方法、結論に至るまでの展開などは、けっこうあっさりでかまいません。(研究方法が革新的であれば、研究方法を強調して書くこともあります)

また、要旨の場合は卒論の構成順に内容を説明していく必要もありません。基本的に卒論の構成通りで書いていった方が説明しやすいと思いますが。

一方で、要約は、「この論文のどこに何が書いてあるか」ということを伝えることに重きを置いています。

背景、研究方法、展開、結論、考察など、様々な要素が卒論には含まれていますが、それらの重要度が全部横並びで一緒です。

「何が書いてあるかを順々に機械的に書いていく」というイメージです。

要約=「目次のもっと詳しいバージョン」と認識してもらうのが一番わかりやすいと思います。

要約の文字数

卒論の要約の場合は、だいたいA4用紙1〜3枚程度かと思います。

つまり、400〜1200文字くらいですね。

おそらく、学校や学部によって規定があると思いますので、そちらを参照されるのが間違いないと思います。

要約の書き方はこのテンプレ通りに書く

さて、いよいよ要約の書き方について入っていきましょう。

要約については、以下のようなテンプレートに沿って書くと書きやすいと思われます。

要約のテンプレ

  1. 問い(〜だろうか)
  2. 本論文の目的(本研究は〜を試みた)
  3. 定義(〜は〜である)
  4. 先行研究(〜によれば〜である。)
  5. 問題提起(しかし、〜はされていない)
  6. 展開(そのためにまず〜した。次に〜した)
  7. 結果(その結果〜だった)
  8. 考察(〜と考えられる)
  9. 課題(今後は〜と考えられる)

やっぱり要旨と一緒やんけ!」と思った人はするどい。

構成はあまり変わらないんですよ。

でも、書き方が違います。特に「展開」の部分が。

具体例出して説明した方がわかりやすいと思うので、具体例を出しましょう。

要約の具体例

具体例を書いてみました。(もちろんウソ研究です)

仕事をする場所によって仕事の作業効率は変わるのだろうか。本研究は、場所と作業効率の関係を明らかにすることを試みた。ここでいう作業効率とは、単位時間当たりに何文字の文書作成の作業をこなすことができるかという指標である。先行研究によれば、カフェの適度な騒音が集中力を高めることが示唆されている。しかし、異なる環境下で作業をしたときの作業効率を実際に測定し、比較した例はない。そのため、本研究では異なる環境下で作業効率を測定することにより、作業効率に与える因子の特定とその影響の度合いについて検討した。
まず、第一章では、生理学的見地から作業効率が変動するメカニズムについて述べる。
次に、第二章では、自宅、屋内カフェ、オフィス、屋外公園で被験者に作業をしてもらった際の作業効率を測定した際の手順や測定結果について述べる。
最後に、第三章では、作業効率に影響する因子を特定するとともに、作業環境ごとの因子の違いについて検討を行う。
結果として、文書作成の作業効率に与える因子として、影響が多い順に「騒音レベル」「空間の広さ」「他人の存在」が合わせて90%の影響を与えることが明らかになった。自宅よりもカフェの方が仕事が捗るという意見が聞かれることがあるが、これは自宅よりもこの因子が好条件であることから、妥当であると考えられる。作業効率については、この3点を意識して場所選びをすることでコントロールが可能であると考えられる。今後は、作業の種類によって異なる結果が出るかの検討が必要であると考えられる。

分解すると、以下の通り。

卒論の例を分解

  1. 問い(〜だろうか)
    仕事をする場所によって仕事の作業効率は変わるのだろうか。
  2. 本論文の目的(本研究は〜を試みた)
    本研究は、場所と作業効率の関係を明らかにすることを試みた。
  3. 定義(〜は〜である)
    ここでいう作業効率とは、単位時間当たりに何文字の文書作成の作業をこなすことができるかという指標である。
  4. 先行研究(〜によれば〜である。)
    先行研究によれば、カフェの適度な騒音が集中力を高めることが示唆されている。
  5. 問題提起(しかし、〜はされていない)
    しかし、異なる環境下で作業をしたときの作業効率を実際に測定し、比較した例はない。
  6. 展開(そのためにまず〜した。次に〜した)
    そのため、本研究では異なる環境下で作業効率を測定することにより、作業効率に与える因子の特定とその影響の度合いについて検討した。
    まず、第一章では、生理学的見地から作業効率が変動するメカニズムについて述べる。
    次に、第二章では、自宅、屋内カフェ、オフィス、屋外公園で被験者に作業をしてもらった際の作業効率を測定した際の手順や測定結果について述べる。
    最後に、第三章では、作業効率に影響する因子を特定するとともに、作業環境ごとの因子の違いについて検討を行う。
  7. 結果(その結果〜だった)
    結果として、文書作成の作業効率に与える因子として、影響が多い順に「騒音レベル」「空間の広さ」「他人の存在」が合わせて90%の影響を与えることが明らかになった。
  8. 考察(〜と考えられる)
    自宅よりもカフェの方が仕事が捗るという意見が聞かれることがあるが、これは自宅よりもこの因子が好条件であることから、妥当であると考えられる。作業効率については、この3点を意識して場所選びをすることでコントロールが可能であると考えられる。
  9. 課題(今後は〜と考えられる)
    今後は、作業の種類によって異なる結果が出るかの検討が必要であると考えられる。

先ほどの要約のテンプレート通りになっていることがわかるでしょうか。

さらに、「第一章では〜」、「第二章では〜」と、各章や節ごとに何が書いてあるかをコメントすることで、卒論全体の流れがわかりやすくなりますね。

この点が一番要旨と違うポイントです。

まとめ|要約はテンプレに沿って目次のより詳しいバージョンを書く感じ

今回は、要約の書き方について解説しました。

  • 要旨は「この卒論で何を言いたいか」を伝えるもの。要約は「卒論のどこに何を書いてあるか」を伝えるもの
  • 要約=目次のもっと詳しいバージョン
  • 要約のテンプレ:問い→本論文の目的→定義→先行研究→問題提起→展開→結果→考察→課題

卒論に限らず、学術論文を書く際も要約を書く機会はあります。要約の書き方がわからない方はこれを機会に参考にしてみてくださいね。


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