卒論の書き方

卒論の書き出し方【テンプレ・例文あり】誰でもすぐ卒論の書き出しがわかる

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この記事はこんな人におすすめ

  • 卒論をいざ書き出そうと思ったが、何を書いていいかわからず手が止まった。生活のためにバイトも忙しいし、就活もあって時間取れないし、このままじゃやばい…
  • 論文なんて書いたことがないから、書き出し方が全然わからない、例文を読みたいなぁ…。レポートもテキトーにやってたからわかんないんだよなぁ。
  • 他人の卒論を参考にしてみたけど、自分の場合どうしたらいいかよくわからないぞ…。手っ取り早く書く方法ないかな

卒論書き出しは、「序論」または「はじめに」と呼ばれます。

あなたの卒論が何について書かれ、どんな意義があるのかを読者に伝える重要な部分です。

書き出しが支離滅裂だと、何についての論文かわからなくなってしまいます。
書き出しをきちんと書くことは重要なポイントです。

とはいえ、論文作成の訓練を受けていない大学生の場合は、卒論の書き出し方がわからないでしょう。

いざ書こうと思ってパソコンを立ち上げたものの、何を書いたらいいかわからず固まってしまっているのではないでしょうか?
実際、そんな大学生は私の周りにも多かったです。

ですが、この記事でそんな心配もなくなると思います。

この記事では、卒論の書き出し方や例文をまとめました。

この記事を読んでもられば、卒論の書き出し方がわかり、どんどん卒論が進んでいくようになるでしょう。

それでは、卒論の書き出し方について解説をしていきます。

卒論を書き出す前に構成を考えよう

いきなり考えなしにWordで卒論を書き始まってはいけません。

というより、卒論に限らず、文章を書く際は、まずは構成を考えることが第一です。

文章を書きなれている方でない限り、構成を練らずにいきあたりばったりで長い文章を書き始めれば途中で訳がわからなくなる可能性大です。

A4用紙に手書きで、どんな構成にするかを書き出してみましょう。

とはいえ、卒論の書き出し(序論、はじめに)の構成をどう考えればいいかがそもそもわかりませんよね。

そこで続いて、卒論の書き出し(序論、はじめに)の構成について解説していきます。

背景・問題提起・目的・検討方法・論文の構成で書き出す

卒論の書き出しの構成は、以下になっています。

卒論の書き出しのテンプレート

  1. 背景(先行研究)
  2. 問題提起
  3. 目的
  4. 検討方法
  5. 論文の構成

この順通りに話を進めると、きちんとした論文になります。
レポートも基本的にほぼ同じ書き出し方になるので、覚えておいて損はありません。

背景の役割|テーマについて説明する

背景では、卒論のテーマに関しての基礎知識の共有と、先行研究の紹介をします。

例えば、「どら焼き」についての研究だったら、

  • どら焼きはそもそもなんなのか(どら焼きは餡を平たい円盤状のカステラ風生地で挟んだ日本の和菓子である。)
  • どら焼きについてわかっていること(史料によればどら焼きは〜ごろからある。先行研究によれば、どら焼きについては〜という研究が行われている)

という風に、どら焼きが何者なのか?どこまでどら焼きについて我々は分かっているのか?ということを書きます。

ここをちゃんと書かないと、「何についての研究なの…?(困惑)」となってしまうので、しっかり書きましょう。

このどら焼きの例の場合は、ポピュラーなものなのであまりその心配はないですが、マニアックなものになるほどちゃんと説明が必要です。

しっかりと先行研究なり書籍なりの参考文献を集めて書きましょう。

逆に言えば、参考文献を集めないとこの部分は書けません。

全然書き出しが書けない場合は、文章力の問題ではなく単に情報不足な可能性があるので、ろくに下調べしていない自覚があればまずはテーマに関して情報を集めてください。

問題提起の役割|不明な点・関心がある点を明らかにする

背景で「すでにわかっていること」については書いたのですが、この問題提起の部分では、「まだわかっていないこと」「自分が関心を持っている部分」について書きます

例えばさっきのどら焼きの例で言えば、

  • 繁盛店の傾向
  • 海外での流行

とかになりますかね。

そのように究明されていない問題、解決されていない問題を取り上げるのがここの部分です。

ここで取り上げた問題について研究することが、あなたの研究の趣旨になります。

目的の役割|研究で明らかにしたいことを宣言する

さきほど取りあげた問題点について、あなたがどうするのか、というのを表明します。

その問題について調べてまとめるのか、それとも解決策を考えるのか、あなたの研究のゴールを書くのがこの「目的」のパートです。

「本研究では、繁盛店の傾向を明らかにして、人気のどら焼き店になる方法について検討した」とかですね。

検討方法|どんな風に研究したのか説明する

検討方法の部分では、目的に対してどんなアプローチで解決していくのかを書きます。

資料を集めて分析するのか、それともインタビューを行うのか、はたまた科学的実験を行うのか。

文系の方であればアンケートや資料・史料調査を、理系の方であれば実験や解析を行うと思いますが、それを端的に書く場所です。

具体的にどんな手段で、どんなデータを収集して目的の達成を目指すのかを書いていきましょう。

論文の構成|論文のどこに何が書いてあるかを予告する

あなたの論文がどんな構成になっているかを書きましょう。

第一章で何について書くのか、第二章では何について書くのか、第三章では何について書くのか…

目次を文で表現したようなイメージですね。

あなたの論文で、どこでどんな話が展開されていくのかのガイドラインを書いてあげてください。

ちなみに、これらの書き出し(=序論・はじめに)に関しては、以下の記事にもより詳しくまとめているので、参考にしてみてください。

卒論の書き出しの例文

さて、卒論の書き出し方の概要を説明したところで、続いて例文の紹介に移っていきましょう

卒論の書き出しについては、うまい文章を書こうとして凝った導入にしなくていいです。

無骨に、即本題でいいです。

文章の修辞表現も特におしゃれにしなくていいです。
かっこよくなくていいので、端的でわかりやすい文章を目指しましょう。

ということで、いい感じの卒論の例文を探してきたので参考にしてみてください。

大阪府立大学の経済研究科の陵友会優秀卒業論文の受賞者の論文を引用しました。
書き出し、つまり「はじめに」の部分を抜粋して引用したので参考にしてください。

例 タイトル:ハフ・モデルを応用した立地と品揃え・集客力のモデル分析

序章 はじめに

 日本では、1964 年の東京オリンピックの直後からモータリゼーションが進んでいった。道路特定財源制度等を使った高速道路の拡張や鋪装道路の増加等の道路整備、一般大衆にも購入可能な価格の大衆車の出現、オイルショック後の自動車燃料となる石油低価格化などによって、自動車が利用しやすい環境になったことが原因である。これにより少し距離が遠くなっても、欲しいもの、より良い品揃えがあるお店に人は集まりやすくなった。しかし、人の心理的、金銭的な感覚からより移動費がかからず、より楽に満足したいと考えることができる。そして、そのことは生産者などの売り手にも同じことが言えるのではないだろうか。売り手はより消費者が集まる場所に売りに行きたいと考えるが、移動費がかさむと利益がその分失われてしまい、売りに行くインセンティブが失われてしまう。そうなるとやはり距離が近く、消費者の集まる場所に売りに行きたいと考える。このようなシチュエーションの例として、道の駅やフリーマーケットなどが挙げられる。
 商業施設の立地を考える際によく用いられるハフ・モデルは「ある地域に住む消費者がある商業集積で購入する確率は、商業集積の規模に比例し、そこに到達する距離に反比例する」という消費者側から見た立地分析モデルであった。しかし、前述したように立地選択を考える際には生産者側の視点も必要となるのではないか。そして、消費者と生産者の集まり具合を考慮し、分析することで、より良い商業施設の立地分析を行うことができるのではないだろうか。
 そこで本稿では、消費者の行動についてのモデルであったハフ・モデルを、消費者と生産者とが同時に行動を決定するモデルに拡張する双方向型のモデル分析を行う。第一章では基本となるハフ・モデルについて紹介する。第二章では一般的な設定の下でのハフ・モデルの拡張を行う。第三章でシンプルな設定の下でのハフ・モデルの拡張を行い、第四章でグラフ、均衡点の分析・考察を行う。分析では、消費者と生産者のそれぞれが各商業施設を訪れる確率を、お互いに他の経済主体が各商業施設を訪れる確率の関数として表し、グラフを描く。グラフの変化について分析した上で、均衡点の導出を行う。そして、第五章で分析・考察のまとめを行う。

出典:ページ『大阪府立大学経済学研究科|優秀卒業論文 | 経済学研究科』ハフ・モデルを応用した立地と品揃え・集客力のモデル分析から

どこがどのパートに対応しているか説明すると、以下の通りです。

解説

  • 背景:「日本では、1964 年の」〜「道の駅やフリーマーケットなどが挙げられる。」
  • 問題提起:「商業施設の立地を考える際によく用いられるハフ・モデルは」〜「より良い商業施設の立地分析を行うことができるのではないだろうか。」
  • 目的&検討方法:「そこで本稿では、消費者の行動についてのモデルであったハフ・モデルを、消費者と生産者とが同時に行動を決定するモデルに拡張する双方向型のモデル分析を行う。」
  • 論文の構成:「第一章では」〜「第五章で分析・考察のまとめを行う。」

検討方法自体に新規性があるので、目的と検討方法が一緒になっていますが、上の通り説明した流れになっていることがわかるでしょうか。

「背景」でテーマについて説明をして、「問題提起」で研究課題に焦点をあて、「目的」と「検討方法」で何をどう明らかにするかを宣言し、「論文の構成」で論文の内容を予告する、という流れです。

基本的に上の通りの型に沿って書くことで、論文らしい書き出しにすることができます。

出典元のページには他にも良質な論文が載っていますので、ぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、卒論の最初の部分は「要約」がきていますが、要約は最後に書くものですので、ほぼ卒論が仕上がってから着手してください。

まとめ|書き出しには型があるのでそれを理解してそれに沿って書く

今回は卒論の書き出しについての書き方の説明を行いました。

  • 書き出しはいわゆる「序論」「はじめに」であり、あなたの研究の意義や内容を伝える部分
  • 書き出す前に構成を考えること
  • 書き出しの構成は背景・問題提起・目的・検討方法・論文の構成

書き出しがわからずに手が止まってしまった、という方は今回の記事を参考にしてください。

ちなみに、書き出しをどうすればいいか困った時は、書けそうな他の章から書き始まってもかまいません。

どこか書き始められると、勢いがついて他の部分もかけるようになったりしますので、とにかくどこかしら進めるように書き始まってみましょう。


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