テーマ選定

卒論テーマの決め方【経済学編】参考例あり

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この記事はこんな人におすすめ

  • 経済学部にいるけど卒論を急いで書かなきゃいけない。何かいいテーマは?
  • 経済って、扱う範囲が広いからなんでもいけそうな分、かえってテーマを何にすればいいか迷うんだよね…
  • 卒業研究にいったん決めたテーマがなんだかチープに…改善するためになにか参考になりそうなはないか?

経済学部の皆さんは、卒論のテーマ設定には苦労するみたいですね。

経済って、私たちの生活にあらゆる部分に密接に関係していますから、範囲が膨大すぎて、かえって決められないのではと思います。

中には「かっこいい」「インパクトのある」卒論テーマを書こうとして動きが止まっている方もいるかもしれませんね。

でも、経済学に限った話ではないですが、卒論の評価は、テーマそのものより、テーマに対してどう研究したか(どう取り組んだか)が重要です。

分析手法や着目点、考察、論文としての体裁といった部分が評価されます。ですから、一見しょぼそうなテーマでも、ガチで研究がなされているならそれでOKです。

あまりに変な内容すぎて、「これなんの役に立つの…?」という研究はダメですけどね。

さて、ここでは、経済学部の方に対して、どうやって卒論テーマを決めていけばいいのか解説していきます。

重要なチェックポイント

あなたがもし、「これが研究したい!」と思うようなことを見つけたとしても、注意が必要です。

さもなければ難航する可能性があります。

経済学部の卒論テーマを決める際に、気をつけておきたいポイントをお伝えします。

先行研究・参考文献を手に入れられるか

あまりにマニアックすぎて、誰にも先行研究がされていない研究や、研究するためのデータや文献が手に入らない研究は選ばない方が無難です。

なぜなら、データが集まらなくて研究が進まないからです。

企業内のデータなど外部の人間がアクセスできないデータを主に必要とする研究は、間違いなく難航します。

データの利用の許可を得るのに連絡して、データをもらって、断られれば他の場所を探して…

なんて作業、あまりやりたくありませんよね。

ですから、容易に参考文献なりデータなりが手に入るテーマを選ぶことが必須の要件です。

被ってないか

先行研究があるのは大事だという話をしましたが、テーマがモロ被りではまずいです。

研究は明らかになっていないことを明らかにすることなので、テーマがモロ被りだったらそもそも研究としての意義がなくなってしまいます。

また、すでに一般的に明らかになっていることを研究しても意味がありません

いったんテーマのアイデアが出たら、すでに同じ研究がされていないか調べておきましょう。

ただし、研究対象が同じでも、それを研究する観点に独自性があれば大丈夫です。

具体的か

抽象度が高すぎるとかえって卒論は書きにくいです。

ですから、なるべく具体的にテーマを絞り込んでいくことが大事です。

たとえば、「18世紀のイギリスの資本主義について」なんてテーマにしても、何をどう論じるのか自分にも読者にもわかりませんよね。

ですから、研究する対象はかなり具体的で狭い範囲に限定した方がいいです。

  • 時代
  • 制度
  • 企業
  • 地域
  • 人物
  • 事件

などで研究の対象を細かく絞り込んでいくことです。

こうして結果的に卒論が書きやすくなります。

ある程度見切り発車でOK

テーマは最初からばっちり決まることはまれです。

調べていくうちに、「これをこうしたらもっとおもしろくなるんじゃないか」とだんだんとテーマは変わっていくことが普通です。

むしろ、内容を煮詰めるために、そうであることがむしろ望ましいです。テーマはいったん仮決めしたら調査研究を進めながら、より面白いものに更新していきましょう(ガラッと変えるのではなく、深める)。

ですから、「テーマが決まらないよー」と考えて行動しないより、ある程度あたりをつけて調べ始めてしまうことをオススメします。

結果として、その方が自分の納得いくテーマに出会えます。

テーマを見つける手順

それでは、テーマを見つけるための具体的手順について解説していきます。

問いを見つける

一番最初にやるべきことは、問いを見つけることです。「なぜ?」を見つけます。

ただ、ここで漠然と「なぜ?」と考えるよりも、いい方法があります。

それは「なぜこれとこれは違うのだろう?」と違いに着目することです。例えば、

  • A:「なぜあの会社は儲かっているのか?」
  • B:「◯社は同業の△社よりもなぜ儲かっているのか?」

とふたつの問いは似たようなものですが、Bの問いは「違い」に着目しています。

すると、「何に着目すればいいか」はっきりしているので研究しやすくなります。比較されているからです。

このように、違いに着目して、その原因を探り、一般的な真理を探し出すという方法が、王道になります。

では、これをどこで探し出せばいいかというと、経済学がテーマなら、いくらでも身の回りに材料はあります。

  • 自分の経験
  • ニュース
  • 雑誌、書籍
  • SNS
    などなど

こうしたものから、「なぜこれとこれは違うのだろう?」という疑問をひたすら、紙やスマホなどにメモしていってください。

これがあなたのテーマのもとになります。

仮説を立てる

いくつか探し出した「問い」に対して、続いて仮説を立ててください。

「AとBが違うのはCが原因ではないのか?」と仮説を立てるということです。

例えば、

  • 同じSNSサービスであるフェイスブックが繁栄し、mixiが衰退したのは運営による悪質ユーザの管理不足では?
  • ファストファッションであるフォーエバー21が、H&Mなどと違い日本を撤退することになったのは在庫回転率に対する改善に着手しなかったからではないか?
  • 近年のヘイトスピーチは、昔と構造が違っていないか?非正規雇用労働者の増加が原因ではないか?

ということです。

こうしていったん仮説を立てないと、何を調べたらいいのかわからなくなります。

仮説を立てない状態でやみくもに参考文献を読み漁ると迷宮の中で迷子になる可能性があります。

そうならないために、いったん半分あてずっぽうでもいいので、「何が原因か」という仮説を先ほど列挙した問いに対して立ててみてください。

ただし「そりゃ当然そうだろうよ」「もう知ってる」と誰の目にも明らかな仮説や一般的に言われていること通りの仮説になると、論文で書くことがほとんどなくなってしまいます。ありきたりすぎる仮説しか立てられないテーマはいったん避けたほうが無難です。

例えば、「リーマンショックはサブプライムローンが焦げ付いたからではないか」という仮説を立てても、「知っとるわ!」と読者に思われて終わりです。

ありきたりなものにならないように、問いをかなり細かく絞り込んでいくのが有効です。特定の地域、会社、業界、人物などなど…。

問いの中から、自分なりの仮説を立てて、かつ検証していけそうなものにテーマを絞り込んでいきます。

検証する

仮説を立てたら、続いて検証を行います。

検証とは、その仮説が正しいかどうかを調べることです。

参考文献を読んだり、調査を行ったりして自分の仮説を検証します。

「どうやら仮説通りだな」と思えばそのまま考察を深めればいいですし、「仮説とは違うようだ」と思えば別な仮説を立てます。

万が一、検証をしてみて「このテーマは自分の手には負えない」「参考文献がほとんどない」と思ったようでしたら諦めて他のテーマに変えましょう。

逆に、「このテーマで行けそうだな」と思うようでしたらテーマを本決定して一気に卒論を進めていきましょう。

こうして、問い→仮説→検証という作業をしてみて、「このテーマでいけそうか」という判断をすることをおすすめします。

検証が困難なテーマにしてしまったらあとで地獄を見ることになります。

経済学部の卒論のテーマの例

せっかくなので、東京大学の経済学学位の論文を見てみましょう。具体例を見ることで、ヒントがもらえる可能性があります。

■出典:東京大学学位論文データベース

このように、他人が書いた論文は、要旨くらいなら簡単に見つけることが可能です。

「〇〇大学 卒論 経済 レポジトリ」というキーワードなどで検索すれば、各大学のレポジトリ(論文の保管場所)にたどり着くことができるので、調べてみるといいでしょう。

まとめ

今回は、経済学部の方向けにテーマの見つけ方を解説しました。

  • 研究テーマは、具体的で範囲を絞り、かつ調査研究可能なものを
  • テーマのアイデアは、自分の経験や書籍、雑誌、ニュースなどから、「なぜこれとこれは違うんだろう?」と差異を考えることから生まれる
  • 問い→仮説→検証を行い、テーマとして大丈夫そうかをいったん確認した上でテーマを本決定した方が吉

経済学は、私たちの生活に密接に関係しているだけあって、取り扱う範囲が広大です。

具体的な対象に絞り込んでいくことがテーマを決める上で重要となります。

今回の内容を参考にして、自分の納得のいく卒論のテーマを選んでください。


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