- 優秀な卒論ってどんな卒論?評価基準ってなに?
- どうせなら優秀な卒論を参考にしたいんだけど、どこでどうやって見つければいいの?
- クオリティが低いって言われたんだけど、、、そもそもクオリティが高いってどういうこと??
「どうせ卒論を書くなら、できるだけ優れたものにしたい」と思う方もいるかと思います。
たいていの人にとって、卒論は1〜2回しか書きませんが、大学にはずっと残るものですからどうせならちゃんとしたものを書きたいと思う人がいるのも当然です。
しかしながら、初めて卒論を書くあなたにとっては「そもそも優れた論文って?」と、卒論の評価基準がいまいちわからないのではないでしょうか。
優秀である、と評価される論文を書きたいのなら、「何をもって優秀か」という判断基準をわかっておくのが必須です。
ルール(評価基準)を把握して仕事をこなすという考え方は、卒論だけでなく、あなたが将来、社会人として仕事をする上でも非常に有用です。
そこで今回は、「卒論の優秀さ」についての評価基準や、優秀な卒論の読み方についてあなたに解説していきます。
何をもって優秀か、という基準がわかれば、あなたも卒論のクオリティを上げることができますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
優秀な卒論とは何か
早速ですが、卒論の優秀さは、以下の点で決まります。
- 構成が正しい
- 文章が正しく分かりやすい
- 論理的である
- 着眼点が優れている
- 手法・結果が優れている
- 社会的・学術的意義が大きい
それぞれ解説していきます。
構成が正しい
卒論に限らず、研究論文には『型』があります。
論文は大きく分けて序論・本論・結論の3段構成です。それぞれさらに分けると以下のようになります。
- 序論・・・背景や研究目的など
- 本論・・・調査方法や結果など
- 結論・・・考察や結論、今後の課題など
このような論文の文章構成を『IMRAD』といいます。
自分の考えを読者に効果的に伝えるには、論文をうまく組み立てることが不可欠です。たいていのジャーナルでは、伝統的な形式であるIMRAD(イムラッド)形式で研究論文を書くのが望ましいとされています。
IMRADは論文の各セクションであるIntroduction, Materials and methods, Results, And Discussionの頭文字を取った言葉です。出典:読者の理解度を向上させる「IMRAD形式」の論文構成とは?| エディテージ x ユサコの論文執筆ヒント集| ユサコオンラインショップ
優秀な卒論と評価されるためには、このIMRADに沿って書くことが大前提です。(このブログで解説している論文の書き方は、ちゃんとこのIMRADに沿ってるのでご安心を)
文章が正しく分かりやすい
正しくわかりやすい言葉で論文が書かれているかどうかは重要な評価基準です。
誤字脱字だらけであれば当然ながら評価できません。主語述語の対応にも注意が必要です。
読んでいて読者がストレスなく理解できるような、正しく丁寧な文章を書くことが評価につながります。
論理的である
論文の論旨展開が論理的であるかどうかも評価基準です。
論文は小説でも感想文でもエッセイでもないので、「面白いか、感情を揺さぶられるか」ということが評価基準ではありません。
「客観的に見て主張がもっともらしいかどうか(妥当性があるか)」という視点で評価されます。
では、「客観的に見て主張がもっともらしいかどうか(妥当性があるか)」はどこで決まるかというと、論理的かどうかです。他人が読んでも「確かにそうだね」と納得できるためにはその主張が論理的でないとなりません。
感情論、経験則や決めつけではなく、第三者が見て納得できる根拠を示しながら論文を展開していくことが大切です。
主張や自分の考え一つ一つに、ちゃんと事実をベースとした根拠があるように話を展開すること。これが論理的な論文の書き方です。
論理的な文章を書く訓練をしたい方には以下の本がとてもおすすめです。
着眼点が優れている
着眼点の独自性が高ければ、テーマそのものが高評価を得る場合があります。
他の人が取り扱ってこなかった物事や、これまでなかった斬新な視点で研究が行えれば、それだけでも評価されるのです。
ちなみにアイデアはセンスだけの問題ではありません。アイデアは知識をベースに生まれるものです。
しっかりと関連書籍や先行研究をたくさん読むほど、優れた研究テーマのアイデアがで出やすくなります。
よいテーマを捻り出すには、まず自分の研究分野に関して詳しくなることを最初は目指しましょう。
研究手法が優れている
調査や実験のやり方や結果も評価対象です。
独自性が高い調査・実験を自分で設計して実施すれば高い評価を得やすくなります。
「自分の研究目的(何を明らかにしたいか)を達成するために何をしたらいいか?」ということにちゃんと向き合って調査・実験手法を練ってみましょう。
得られたデータを、自分の研究で主張したいことに合わせてちゃんとグラフや表として正しい形で表現できていることも重要なポイントです。ただ単にデータをら列すればいいというものではありません。
矛盾や欠点がない手法で調査・実験を行い、それを明快な形で示すことが高評価につながります。
社会的・学術的意義が大きい
ちゃんと研究が何かの役に立つかどうか、という点は重要です。
論文の体裁が整っていても、なんの役にも立たない卒論は優秀な卒論とは言い難いでしょう。
社会的な問題や、学問的に新しい知見が得られるようなテーマにするのが、評価を得るために重要です。
優秀な卒論(PDF)の例を見られるページ
どんな卒論が優秀な評価を得やすいかは先ほど説明しましたが、具体例を見ないとピンとこないですよね。
そこで優秀な評価を受けている論文(卒業論文以外も含む)の具体例が見られるページを紹介しようと思います。
文学部
社会学部・国際学部・法学部
国際観光学科 2017年度卒業論文 | Toyo University
経済学部・経営学部
心理学部・教育学部
優秀論文賞受賞論文 | 日本心理学会(卒業論文集ではありません)
優秀論文賞授賞論文 – 日本教育心理学会(卒業論文集ではありません)
建築学部
まとめ|優秀な卒論を見て「何が評価されるか」を把握してから卒論を書こう
今回は「優秀な卒論」と評価されるために考慮すべきポイントについて解説をしました。
たとえ優秀な卒論として賞を狙うことを全く考えていなくとも、評価基準にしたがって卒論を書くのは、再提出や不可判定を防ぐために有効です。
もし、賞を狙うことも考えているのであれば、ここで紹介した評価基準をチェックリストとして用いて、より卒論のクオリティを高めてください。
また、優秀な論文として評価を受けている卒論の原稿を見られるページを上の通りまとめておきましたので、そちらを参考にするとより卒論の品質を高めることができるでしょう。
卒論に限らず、何か上達するために一番手っ取り早いのが、優れた人の真似をすることです。(剽窃しろという意味ではない)
他の人の論文を読んで、役に立ちそうな箇所はどんどん真似してみて、評価される論文を書き上げましょう。